
ナマステ、旅ブロガーのファインです。
日本で生まれ育った我々には、身分による差別は歴史上のお話しでしかありません。
士農工商を社会の授業で習った日本人には、差別は遠い過去のお話しですよね?
しかし、インドでは現代でも身分による差別が残っているのです。
このブログでは、ひとり旅をコンセプトに記事を書いています。
但し、「インド」に関しては、女性のひとり旅はオススメ出来ません。
人生に一度は、インドを訪れることを推奨しますが女性にはツアーをお勧めします。
その理由は・・・・・・・・この記事を最後まで読んで頂ければ理解できるでしょう。
ということで、今回はカースト制度と女性のひとり旅について語ります。
カースト制度:Caste
カースト = ポルトガル語で「血統」
カースト制度とは、本来はヒンドゥ教の身分制度のことです。
これは、法律ではなく人口の80%を誇るヒンドゥ教の宗教的伝統です。
「ヴァルナ」と「ジャーティ」を併せて、カーストと総称されています。
インドではヒンドゥー教徒以外でも「カースト」の意識を持つ者がいるのです。
過去の話ではなく、現在のインドでもこの身分制度が残っていることに驚きます。
なお、1950年にインドの憲法が、カーストによる「差別行為」を禁止しています。
これは差別行為を憲法で禁止しているだけで、カーストそのものは禁止していません。
現在でもカースト制度は、インド人国民の意識レベル間で受け継がれているのです。
ヴァルナ
ヒンドゥ教社会を4層に分割する宗教的身分制度の事
ジャーティ
インドカースト制度の基礎となる共同体の単位
排他的な職業・地縁・血縁的社会集団海藻を示す用語
~カースト(ヴァルナ)の階級~
▼バラモン・・・神聖な職につける位が一番高い
▼クシャトリヤ・・・王や貴族などの位
▼ヴァイシャ・・・・製造業に携われる一般市民
▼シュードラ・・・・農牧業に従事することしか許されていな労働者
カーストは親から受け継がれるので、本人の努力次第で抜け出せるものではありません。
ヒンドゥ教は、輪廻転生が信じられている宗教です。
現在の身分は、過去の生き方の結果という考えが信じられているのです。
この人生の結果次第で、次に生を受けたときに高い身分にあがれると伝えられています。
つまり、生きている間の下層階級は頑張っても報われない人生が待っているということです。
ダリット
あなたは、「ダリット」って聞いたことありませんか?
ダリットとは、上記で説明したヴァルナに属さない人々のことを指します。
日本語では「不可触民」と訳され地球で最も抑圧された人々です。
直訳すると、「壊された民」と訳されています。
インドでは、約1億人以上のダリットがいると言われているのです。
中でもダリットの女性たちは、酷い現実が・・・・・・・・、
不可触民ダリットの女性たちは1日平均3人性的搾取をされていると言われています。
また彼女たちは、驚くことに同じダリットの男性たちからも人間扱いされていません。
不可触民を見分けるのは、外見です。
カースト制度は、下位に行くほど肌の色が黒く、上位は白くなります。
差別から逃れるために、自身の居住地から離れても肌の色は隠せません。
パスポートもない彼女たちに、インド国内で逃げ道はないのです。
これらの問題にインド政府も、不可触民に優遇措置を与えました。
その結果、バラモン階級の人たちから不満が噴出し「ダリット狩り」が始まったのです。
ダリット狩り:深夜に不可触民を探して無差別な暴行を加える犯罪行為のこと。
このような背景から、ダリットに生まれたら死ぬまで村を出ることはありません。
我々観光客は、不可触民以下と考えるインド人も少なくありません。
このような状況のインドを女性一人で旅をするとどうなるか、想像できますか?
フマユーン廟:Humayun’s Tomb
タージマハルより100年前に建てられた世界文化遺産です。
タージマハルの原型と言われており、色が異なるだけで形式はそっくりです。
有名な世界遺産の割には観光客数は多くいませんでした。
入場料:600RS(約1,034円)
営業時間:6:00~18:00
このフマユーン廟周辺のトイレは、ダリッドの人々が手で処理しています。
排出物処理方法は、道具を使わず人の手により排泄物をバスケットに入れるのです。
この汲み取り式トイレの清掃業は、ダリット女性の仕事とされています。
排出物処理の報酬は賃金ではなく、カースト制度上位の食べ残しを貰えるというものです。
ファインが説明を受けたのは、フマユーン廟周辺の話でしたがインド全体であるようです。
フマユーン廟
アクセス:Access
最寄り駅:バイオレット線ジャワハルラール・ネルー・スタジアム駅 徒歩15分
ラム・ナート・コビンド:Ram Nath Kovind
2017年に、上記で紹介したダリッド出身の大統領が誕生しニュースになりました。
ラム・ナート・コビンド氏は、泥の家で育った不可触民出身の第14代大統領です。
就任当初は、ダリッドの境遇の改善に当たるとの意向を示しています。
しかし、インドの大統領は他国と比較しても大きな力を持っていません。
現実は政治的な実権は持たず、儀礼的な役割のみを担っています。
新型コロナウィルスの影響で、ダリッドに対する差別や虐待は増加しているのです。
約2億人のダリッドからは、ラム・ナート・コビンド氏への期待は薄れつつあります。
3万4,000件のレイプ事件
インドでは、2018年にレイプ事件を届け出数を発表しました。
但し、上位カーストからの報復を恐れてほとんど被害を届けていないのが現状です。
この数字は、氷山の一角だと言われています。
インドでは、我々日本人が改宗してヒンドゥ教になることは歓迎されます。
但し、その場合上記で説明した「シュードラ」に属することになるのです。
シュードラは、4つの階級の中で最下層に属します。
<日本人女子大生監禁レイプ事件>
2015年ビハール州の「日本人女子大生3週間監禁レイプ事件」をご存じでしょうか?
仏教の聖地ブッダガヤがあり、仏教に興味がある観光客はよく訪れる場所です。
犯人は観光ガイドしている兄弟でした。
しかし、逮捕されたのは兄弟2人だけでなく、その他に複数人逮捕されています。
つまり、日本人がひとりで旅行していると観光ガイドでさえ信用できないのです。
彼女は、地下室の劣悪な環境で繰り返し暴行を受け続け健康状態が危ぶまれました。
そのような状態になり、初めて医療機関に運ばれて事件が発覚したのです。
ご自身の身に置き換えてみて下さい。
異国の地で、3週間も監禁され複数のインド人に健康状態が悪化するまで暴行される姿を。
犯人のコメントがニュースで報道されました。
「まともな女性なら夜9時以降は出歩かない」
「彼女は黙ってレイプを許しておけばよかったんだ」
犯人が被害者を非難するコメントが、多くの日本人を驚かせたニュースです。
<タクシードライバー暴行事件>
また、別の事件ではタクシーに乗った日本人女性が車内で性的暴行を受けています。
他にもインド人の手工芸品商の男性が、日本人女性を性的暴行しています。
タクシーや手工芸品など観光客の多くがお世話になりますよね?
この事件は、医師が警察へ届けたので公になりました。
被害女性は逮捕された犯人に、
「事件を口外しないように」
と脅されていたとのこと。
これらの事件の共通点はお気づきでしょうか?
日本人女性がひとりで行動していることです。
一人旅をコンセプトにしているこのブログですが、
「インドは」
「女性は」
「ひとり旅は」
強く推奨できません。
インド旅行でツアーをお勧めする理由
インドでは、15分に1回レイプ事件が起きているほどのレイプ大国です。
過去に、公共交通機関のバス車内でレイプ未遂事件が起きたことがニュースになりました。
カースト制度の上位の者が下位の者へのレイプ事件はほとんどニュースになりません。
インド人は、バス車内でもレイプを目撃しても誰も助けてくれないのが普通なのです。
交通機関のレイプ未遂事件がニュースになったのは、姉が助けに入ったからなのです。
誰も助けてくれないインド社会で珍しい事件なので、ニュースに取り上げられました。
つまり、女性のひとり旅ではあなたが襲われても誰も助けてくれないことも想像できます。
レイプに関してインドの法律は、被害者本人の承諾がない限り実名報道を禁じています。
2011年の調査では、インド人男性の25%が性的暴行を行ったという結果も出ています。
しかし、デリーで被害届が出された事件で有罪になったのは1件のみです。
ちなみに、ヒンズー教の戒律では、男性は結婚するまで性行為が禁じられています。
「観光客女性の薄手の服装が、性犯罪に影響を及ぼしている」
との意見もありますが、やはり4人に1人が性的暴行を起こすような国へ、女性のひとり旅は危険すぎますから。
ツアーでもインドを感じることが出来ますから、危険を冒してまでひとり旅にこだわる必要はないと思います。
インド門:India Gate Delhi
第一次世界大戦の戦没者85,000人の名前が刻まれている慰霊碑です。
エトワール凱旋門を模した高さ42mあるインド門は、パリの設計士によって造られました。
エトワール凱旋門については以下の記事をご覧下さい。
パリにある「5つの凱旋門」と「エッフェル塔」 #71 | 元添乗員のひとり旅 (fineserviceagency.com)
インド門の周辺は公園になっており、地元民の憩いの場になっています。
夜は外出を控えていたので観ていませんが、ライトアップされとても美しいようです。
インド門から大統領官邸に伸びるラージパト通りは、ニューデリーのメインストリートです。
毎年、共和国記念日の1月26日この通りで軍事パレードが行なわれています。
▼インド陸軍の行進
▼民族衣装をまとった代表団によるパレード
▼音楽隊
▼ダンス
▼装飾された山車や象、ラクダ
世界中から数十万人の観客が集うインドの迫力あるパレードです。
駅周辺にオートリキシャがたくさん止まっていますが、利用に関してはオススメしません。
トラブルが多く報告されているので、高確率で不愉快な思いをするでしょう。
以下の運賃相場は、日本人観光客には絶対に提示してきませんから💦
運賃相場:20RS~30RS(約34円~52円)
インド門に来ると、「カースト制度」の説明をするガイドさんが多い傾向にあります。
元々カースト制度とは、約3,000もの職業を細分化したものでした。
また、異なる身分の結婚を禁じているはずのカースト制度ですが、ガイドさん曰く
インド門近くに住む男性が上位の場合で、結婚を認められたこともあったそうです。
しかし、その逆で、女性が上位の場合は現在でも結婚は認められていません。
カースト制度は、食事の席でも同席することができないような決まりがあります。
インド門
<ムンバイ同時多発テロ事件>
あなたは、インド門で起きたテロ事件をご存じでしょうか?
10件の立てこもりテロ事件です。
2008年11月、外国人向けの宿泊施設や鉄道駅など、複数の施設で多くの犠牲者が出ました。
外国人は34人死亡し、負傷者は報告されているだけで234人になります。
このテロ事件では、日本人男性も1人死亡しています。
10件のうちの一つが、このインド門近くのホテルで起きたのです。
犯人は、パキスタンに本拠を置くテロ組織と供述し、インドとパキスタンの緊張関係を一層悪化させています。
アクセス:Access
最寄り駅:Central Secretariat駅 徒歩20分
ここまで読んでいただきありがとうございました。
追伸
今回のカースト制度と女性のひとり旅に関する内容は、いかがでしたでしょうか?
インドでは、一泊200円~300円くらいで泊まれる安宿があります。
個人的には、日本人は500円以上の宿から選択した方がいいような気がしています。
確かに、値段は2倍するので高いと思われるバックパッカーも多いでしょう。
しかし、治安面やスタッフの質、宿のクオリティを考慮すると500円以下は危険です。
インドでは、安全や快適な旅はお金で買うという考えで間違いありませんから。
今回の記事は、
「インドへ行かない方がいい」
という考えで書いたわけではありません。
女性のひとり旅は、くれぐれも用心して欲しいという思いで記事にしました。
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