スォスディ、旅ブロガーのファインです。
あなたは、「世界危機遺産」って聞いたことありますか?
世界危機遺産とは、世界遺産登録後に、武力紛争、自然災害、大規模工事、都市開発、観光開発、商業的密猟などにより重大な危機にさらされ、普遍的価値を損なう状態にあるものを指します。
「アンコールの遺跡群」は、1992年世界文化遺産と危機遺産に登録されました。
日本とフランスによる支援により、修復され2004年に危機遺産を解除されています。
現在、危機遺産の話題に上がったのが「ベネチアとその潟」です。
観光客の増加による環境への悪影響が懸念され「危機遺産」登録の審議が行われました。
イタリア政府の改善に向けた対応を評価し、2021年の登録は見送りました。
といことで、今回はシェムリアップの「アンコール遺跡群」について語ります。
アンコールの遺跡群:Angkor
アンコール遺跡群は『1度は行ってみたい世界遺産ランキング』で常に上位に入ります。
これらの遺跡は、現カンボジア王国の源となったクメール王朝の首都の跡です。
「アンコールの遺跡群」と一口に言ってもすべて答えられる人は多くありません。
ファインは、国家資格取得の時に必死に勉強して覚えました。(ほぼ忘れたけど💦)
以下の中で観光客が知っているのは、恐らく4つか5つくらいでしょう♪
①アンコール・トム
②バイヨン
③像のテラス
④ライ王のテラス
⑤ピミアナカス
⑥プラサット・スゥル・プラット
⑦クリアン
⑧バプーオン
⑨プリア・ピトゥ
⑩アンコール・ワット
⑪プノン・バケン
⑫プラサット・バイ
⑬バクセイ・チャムロン
⑭トマノン
⑮チャウ・サイ・テヴォーダ
⑯スピアン・トマ
⑰プレ・ループ
⑱タ・ケウ
⑲バンテアイ・サムレ
⑳タ・プローム
㉑スラ・スラン
㉒バンテアイ・クディ
㉓東バライ
㉔東メボン
㉕プラサット・クラヴァン
㉖ニャック・ポアン
㉗タ・ソム
㉘バンテアイ・スレイ
㉙プノン・クレーン
㉚クバール・スピアン
㉛ベンメリア
㉜プリヤ・カーン
㉝西バライ
㉞西メボン
㉟ワット・アトヴィア
㊱プリア・コー
㊲バコン
㊳ロレイ
㊴スピアン・プラプトス
アンコール・ワット:Angkor Wat
アンコール遺跡群の中でも最も有名なのが「アンコール・ワット」です。
アンコール・ワット全体は、「メール山」を表現しています。
アンコール = 都市・王朝
ワット = 寺院
アンコール・ワットは、30年以上の歳月をかけて建てられたと言われております。
王の死後は王を祀る霊廟となっており、インドのタージマハールに似ていました。
これらは、ヒンドゥ教の宇宙観によって構成されているのです。
敷地面積は、南北約1,300m、東西約1,500mあり東京ドーム15個分の広さを誇ります。
~王の権力の象徴~
アンコール・ワットが建設された目的は、新しい王様(スールヤバルマン2世)が正当な継承者であることを証明するために建てられたと伝えられています。
スールヤバルマン2世自身が、宇宙の神々との交信した神聖な場所とされているのです。
中央の5基の祠堂は、ヴィシュヌ神が降臨する山を表現しています。
祠堂 = 祖先の霊を祭る所、寺の位牌を納めておく堂
ヴィシュヌ神
アンコールワットのライジングサン:The Rising Sun of Angkor Wat
ガイドブックやパンフレットでもよく見かけるアンコールワットの日の出は有名です。
シェムリアップからは約7キロ離れています。
旅行会社が主催するツアーに日の出ツアーもありますよ。
ファインも、初めてのアンコールワット観光の時は日本語ツアーに参加しました。
ファインが参加したツアーでは、日本人カップルとファインの2組だけでした。
ツアー料金は、内容により様々です。
人気がある水面に反射する逆さアンコールワットが見れるのは、天気次第でしょう。
アンコールワットのライジングサン
<チケット購入方法>
個人でアンコール遺跡群を訪れる場合は、Angkor Ticket Officeでチケット購入します。
入場料:1日券37USドル、3日券62USドル、7日券72USドル(現金かクレジットカード)
営業時間:5時~17時30分
入場券購入時に写真を撮られて、チケットに顔写真が印刷されます。
アンコール遺跡群の中に、チェックポイントが数ヶ所あり写真を確認されます。
肌の露出が高い服装は規定に反するため、薄着の観光客は遺跡内に入れません。
日本人でも、入場を断られる服装の方が時々いるそうです。
アンコールワットは、宗教寺院なのでマナーは尊重しましょう。
ちなみに、入場料高くないですか?
この価格設定でも世界中から観光客が集まるので値上げを検討しているらしいです。
現在も修復に多額の費用が掛かることを考慮しても・・・少々高すぎると感じました。
アクセス:Access
シェムリアップ中心部からの距離:約3.8㎞
アンコールワットの3つの回廊
<第1回廊>
東西200m、南北180m、総延長760mの長方形の回廊となっています。
ここには、レリーフ(彫刻)が数多く残されており、50mの壁画彫刻が見どころです。
アプサラ(天女)が踊っているレリーフは1,300体もあると言われています。
興味深いことに、1,300体のアプサラは同じものが一つもないということです。
アプサラの胸がテカテカなのは、多くの観光客が触っていくからみたいですwww
意外なことに、これらのレリーフ(彫刻)は未完成のままだという事でした。
よく見てみると、制作途中でやめたただの壁が残っているのがわかります。
<第2回廊>
第1回廊から十字回廊と呼ばれている階段を登ると第2回廊に到着します。
仏像が祀られた、東西115m、南北100mの回廊です。
第2回廊の十字回廊周辺が、アンコールワットの中心部だと言われています。
十字回廊を中心にある4つの池には、現在水は溜まっておりません。
それぞれ「水」「地」「火」「風」の意味があり当時は沐浴をしていました。
また、この第2回廊には「森本一房さん」が残したと言われる日本人の文章があります。
第2回廊の壁面に、連子窓が並んでいることが大きな特徴です。
連子窓=そろばんを縦に並べたような格子状の窓
第2回廊の連子窓
<第3回廊>
ファインが一番印象に残ったのが最上部にあるこの第3回廊です。
観光客の間でも人気が高いので、第3回廊へ登るために数十分は並びました。
急な石段の上に観光客用に木の階段が作られており、中央の祠堂は高さは65mです。
かつては王族など限られた人しか入れなかった神聖な回廊です。
傾斜70度の急勾配なので、上の人が落ちたら下にいる人は全員被害に合うでしょう。
実際に事故が起きており、一時期第3回廊が閉鎖されたこともあり本当に要注意が必要です。
年配者や女性は降りるときに
「怖い怖いっ」
と泣き出す人がいる程です。
第3回廊は、あまりに渋滞するので階段でもたもたしているとブーイングが起こります。
欧米人⇒「ブーイング」
日本人⇒「ため息」
周囲からブーイングされようが、ため息をつかれようが、ゆっくり降りましょう。
炎天下で長時間並んでいるので、気持ちはわかりますがブーイングは酷いですね。
高い所が苦手な方もいますので、安全第一で問題ありませんよ。
ゆっくり安全に昇り降りすれば、絶景が待っていますのでぜひあの景色を観て下さい。
急勾配の第3回廊
アンコール・トム:Angkor Thom
アンコール・ワットの北に位置する城砦都市遺跡で寺院ではなく王宮の跡地です。
こちらは「ジャヤバルマン7世」が創建した約3キロメートル四方の京城です。
観光客の多くは、高さ23mの南大門から入場するのが一般的だと思われます。
橋の欄干左側には、多くのヒンドゥ教の神々が並んでいました。
右側に並んでいるのが阿修羅だそうです。
阿修羅と神様がそれぞれ54体います(カンボジアの植民地の数が54)
南大門(トンレオム)から入場すると、3つの頭がある像(アイラヴァタ)がいます。
アンコール = 都市・王朝
トム = 大きい
都市建築の基本は、ヒンドゥ教の宇宙観の影響が見られます。
観光客用に、東南アジアらしくゾウに乗って遺跡巡りをすることもできます。
幅100メートルの堀と、高さ8メートルの城壁で囲まれて5つの城門があります。
(東には「死者の門」と「勝利の門」の2つの門がある)
アンコール・ワットの2倍の敷地を誇るアンコール・トムは複数の遺跡が集まっています。
像に乗ってアンコール・トム遺跡巡りをする観光客
<バイヨン寺院:Bayon>
アンコール・トムの一番の見どころは中央にあります。
2重の回廊に囲まれているバイヨン寺院は、12世紀末に建造されました。
巨大なバイヨンの四面像は、「クメールの微笑み」として有名で最大の見所です。
知名度では、アンコールワットに劣りますが、敷地面積はアンコールワットの4.5倍です。
アンコールワットから約3.4㎞離れているので、トゥクトゥクで8分くらいかかりました。
バイヨン = 美しい塔
死者の門にある5塔を含めると、54塔もの四面像がバイヨン寺院にあります。
ちなみに、カンボジア紙幣に描かれている絵柄はバイヨン寺院の観世音菩薩です。
巨大なバイヨンの四面像
<バプーオン:Baphuon>
周囲に木が生い茂り、その奥にひっそりとたたずむ「隠し子」という意味の寺院です。
カンボジア王国とタイ王国は昔兄弟関係にありました。
タイ国王の息子をカンボジアに預けたときに、成長した子供に支配されると考えた国王
が支配されることを恐れ、預かったタイ国王の息子を殺害してしまったのです。
その時に、カンボジア王妃が自分の子供が報復として殺されてしまうのを恐れました。
そこで隠れ家として、「バプーオン」に自分の子供を隠したと伝えられています。
<タ・プローム:Ta Prohm>
仏教寺院として建立され、後にヒンドゥ教寺院に改修されたと伝えられている遺跡です。
世界遺産の1つで、東西1000m南北600mという広大な壁に囲われた中に建っています。
三重の回廊に覆われた遺跡には、ガジュマル(樹木)が食い込んでいます。
タイ編でも、アユタヤ遺跡で紹介したワット・プラ・マハータートに似ていますよね。
世界文化遺産「アユタヤ」とは? Ayutthaya#97 | 元添乗員のひとり旅 (fineserviceagency.com)
別名「締め殺しの木」と言われており、寺院を絞めつける様子がインスタ映えします。
「タ・プローム」に関しては、修復するかしないかで現在でも議論してます。
樹木に支えられているのか、寺院を破壊しているのか、意見が分かれ結論が出ていません。
映画好きの間では「トゥーム・レイダー」のロケ地ということでも知られています。
ガジュマルが絡みついた「タ・プローム」
アクセス:Access
アンコールワットからの距離:約2km
アンコール・バルーン:Angkor Balloon
アンコールワットから約1.1Km離れた場所にあります。
アンコール・バルーンは、固定式の浮き上がるバルーンです。
地上から離れるときだけ、少し揺れました。
網で覆われているので、あまり恐怖感はありません。
上空からジャングルの「アンコールワット群」を見下ろす眺望はオススメです。
天候次第ですが、「トンレサップ湖」「アンコールの山々」まで晴れたら見渡せます。
7kmしか離れていないので「シェムリアップの街並み」も遠くに見ることが出来ます。
熱気球ではなく、ヘリウムガスなので周遊することなく120mまで上昇するだけです。
但し、強風の場合70mまでしか上昇しない時もあります。
所要時間:約10分
<ツアーに組み込まれていない場合>
料金:20ドル
最大乗船人数:20人
アンコール・バルーン
アクセス:Access
アンコール・ワットからの距離:約1.1㎞
シェムリアップからの距離:約6.4㎞
ここまで読んでいただきありがとうございました。
追伸
今回ご紹介した「アンコール遺跡群」はいかがでしたでしょうか?
この記事で紹介したのは、アンコール遺跡群のほんの一部でしかありません。
アンコール遺跡群の全てを見学すると、数時間はかかります。
ファインは、アンコール遺跡群のトイレが水洗だったことにちょっと驚きました。
綺麗好きの日本人には、東南アジアでの水洗トイレはとてもありがたいものですね。
遺跡自体は素晴らしいのですが、落書きが多かったことは残念な気持ちが残りました。
欧米人、中国人、そして日本人の落書きも所々にあったのです。
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