ナマステ、旅ブロガーのファインです。
過去記事では、インドの女性ひとり旅をお勧めしないことについて書きました。
但し、複数人で安全に配慮して行動すれば楽しい国であることは間違いありません。
インドは、多くの旅人から
「価値観が変わる」
と言われているほど魅力的な国なのです。
インドと一口に行っても、日本の約9倍もの国土を誇ります。
そこで、日本人の多くが訪れるデリーにスポットを当ててみました。
デリーの世界遺産の中でも印象的だったのが「クトゥプ・ミナール」です。
そのクトゥプ・ミナールを一人で訪れるメトロについても興味ありませんか?
ということで、今回は、デリーの世界文化遺産とメトロについて語ります。
クトゥプ・ミナール:Qutub Minar
1993年「クトゥプ・ミナールと周辺の建造物群」は世界文化遺産に登録さました。
現存する中で世界一高いミナレットです。
ミナレット(塔)の高さ:72.5m
基底部の直径:14.3m
先端部:2.75m
デリー中心部から約15km離れた場所にある古いモスクです。
イスラム様式とヒンドゥー様式が混在しているのが最大の特徴です。
偶像崇拝を認めないイスラム教寺院ですが、ヒンドゥー教寺院を破壊して造りました。
皮肉なことに、建築に携わった職人さんたちはヒンドゥ教徒と言われております。
さらに、その石材を転用して制作されており、どのような気持ちで造ったのでしょうか?
その為に彫刻の紋様は、ヒンドゥーとイスラムが融合したものとなっているのです。
ミナール=モスクの尖塔(ミナレット)
※インド最古のミナレットと言われています。
クトゥプ・ミナール
<セキュリティーゲート>
地下鉄に乗るような感じで「トゥークン」をタッチして入場します。
カメラ撮影には、撮影代20Rs(約34円)をセキュリティゲートで払います。
スマートフォンでのカメラ撮影は・・・・・・・・・・なぜか無料でしたwww
クトゥプ・ミナールは、以前は7層でしたが、現在は5層になっています。
1層目/直径15m=赤砂岩・・・ヒンズー様式
2~3層目/赤砂岩で造られた・・イスラーム様式
4~5層目/雷で破損し後に修復・・・白い大理石
入場料:500Rs(約848円)
※クレジットカードも使えます。
営業時間:7:00~18:00
アクセス:Access
最寄り駅:メトロのイエローラインQutab Minar駅もしくはSaket駅から約2km
嘘と事件と事故
~嘘:lie~
「クトゥプ・ミナール」については、様々な憶測が飛び交っています。
中でも飛行機事故により崩れたと記述しているブログやガイドブックがありますが嘘です。
かつては100mの高さがあったと推測されており、世界で最も高いミナレットでした。
しかし、地震や落雷などの自然現象により、先端が崩れてしまったのが事実のようです。
~事件:Incident~
2015年クトゥブ・ミナール遺跡近くで、死傷者が出る事件が発生しました。
覆面をした5人の男が、座っていた他の男性グループに突如発砲し逃走した事件です。
1名が死亡し、数人が重傷を負いました。
土地を巡る口論が原因で、不動産仲介業者が起こした事件とされています。
実は、死亡した男性は全く関係ない人物で、間違って標的にされてしまったそうです。
思い込みで殺されたら、死んでも死に切れませんよね。
~事故:Accident~
クトゥブ・ミナール内部には378段の階段があります。
実は、以前は先端部まで上ることができたのです。
しかし1981年に修学旅行中の小学生が階段で折り重なり、十数名が死傷しました。
原因は、”照明が消えてパニック状態になったから” だそうです。
この事故以来、現在でもミナレット内部への立入りは禁止さています。
アラーイ・ミナール:Alai Minar
上記の「クトゥプ・ミナール」から約140mほど離れた場所にあります。
アラーイ・ミナールの周辺には、素早い動きをする癒し系のリスがいました。
未完のミナレットと言われている造りかけのミナレットはなぜ完成しなかったのか?
当初アラーイ・ミナールは、クトゥプ・ミナールの2倍の高さの塔を建てる計画でした。
<未完成の原因>
①インドの王様アラウッディー本人が暗殺されたこと
②財政難
この2つの理由によりドーム状の建物は未完成となってしまったのです。
未完成のミナレットは、残された基底部だけでも直径約25メートルあります。
完成していれば150mの高さになっていたそうです。
アラーイ・ミナール
これも、1993年世界文化遺産に登録された建築群の一つに数えられております。
ちなみに、制服を着た職員なのか警備員なのか不明ですが観光客に声をかけてきます。
「写真を撮ってあげるよ」
あなたは、彼らのことを
「親切な人だなぁ」
と思いますか?
タージ・マハールの職員と同じく写真と撮り終わるとチップを要求してきますからね。
チップの額が少ないと、
「足りない、もっと出せ」
と要求がエスカレートしてきます。
特に日本人に対して追加のチップを要求する傾向が高いと言われています。
なぜなら、多くの日本人観光客が彼らの言いなりになることを知っているからです。
くれぐれも、制服を着た職員にはご注意ください。
アシャカ王の鉄柱:Iron Pillar
「誰が何のために建てた柱なのか?」
鉄製品は、環境にも寄りますが、気温や湿度の関係から早く錆びるものです、
錆 = 金属と酸素が結びつく現象(酸化鉄)
別名:チャンドラヴァルマンの柱 または アショカ・ピラー
この奇跡の鉄柱は、モスクの広場中央にあります。
99.72%という高純度な鉄で作られており、錆びない鉄柱として有名です。
錆びないように保護されているわけではなく、なんと野ざらし状態なのだからビックリ!
現代の技術を駆使しても、容易には作れないのだとか・・・・・・💦
1500年以上錆が進行していないのは地上部分だけで、地下部分は錆が進行しています。
現代の専門家曰く、99.72%の純度では約50年で錆の侵攻が始まるとされています。
鉄をリンで覆われていることが、1500年以上錆が進行していない原因とされているのです。
専門家が驚いているのは、その当時にリンが錆に強いという知識を持っていたことにあります。
直径:約44cm
高さ:約7m(地上部分)
地下に埋もれている部分:約2m
重さ:約10トン
ちなみに、この錆びない鉄柱の研究からステンレスが生まれたとの説があります。
「柱は地中深くに達し、地中を支配する蛇の王の首に刺さっている」
という言い伝えがありますが、実際は地下に埋もれている部分はたったの2mです。
また
「鉄柱を背にして腕をまわし、両手が届くと幸せになる」
と信じられていました。
この影響で、多くの人々が鉄柱に登り、両手を伸ばしていたそうですwww
観光客もその不思議な力にあやかろうと柱を触ったり、よじ登ったりしていました。
現在は、柱を保護するための柵囲いが設けられています。
この「アシャカ王の鉄柱」も世界文化遺産の建造物群のひとつに数えられています。
門の奥にあるアシャカ王の鉄柱
デリー・メトロ:Delhi Metro
路線:9路線
①レッドライン
②イエローライン
③ブルーライン
④グリーンライン
⑤バイオレットライン
⑥オレンジライン
⑦マゼンダライン
⑧ピンクライン
⑨グレーライン
総距離:348.77km
現在工事中の線路が開通すると430kmとなり、中国に次いで世界2位になります。
駅数:252
※メトロと言う名称ですが、高架線や事情などが多く実際の地下は多くありません。
<セキュリティ・チェック:Security Confirmation>
メトロには改札口を通る前に、空港のような手荷物のX線検査と身体検査があります。
これはインドだけでなくタイなど海外の地下鉄では時々見かける光景です。
駅に着いたら最初セキュリティ・チェックを通ってから販売窓口に行くという流れです。
無事にセキュリティ・チェックを通過したらチケットを購入しましょう。
運賃:10〜40Rs(約17円~68円)
インディラガンディ空港からNew Delhi駅までは60Rs(約102円)
運行間隔:約10〜15分
デリー・メトロの車内
<トゥークン:Token>
~窓口~
トゥークンとは切符の事で、ICチップ内蔵のプラスチック型の使い回しコインです。
駅の窓口では(独特なインド英語ですけど)英語が通じます。
行列ができていると横入りしてくる人がいるので、前の人に密着して並びましょう。
万が一割り込みされたら、割り込みしてきた人の肩を叩いて首を縦に振ります。
(インドでは首を横に振る行為はYes、首を縦に振る行為はNoという意味です)
1人割り込みされたら、次々に割り込みされるので決して横入りは許してはいけません。
肩を叩いても、ゴチャゴチャ言ってどいてくれない人もいます。
列が進んでも根気強く
「割り込みしちゃだめだよ」
とアピールを続けましょう。
自分の順番が来たときに、割り込んできた人がお金を窓口に出したらお札を払いのけます。
文句を言われることもありますが、後ろに並んでいる人たちがほぼ味方になってくれるでしょう。
逆に割り込まれた行為を許すと後ろの人たちにずっと大声で文句を言われ続けます。
あなたは悪くないのに
割り込んだ人に文句を言われるか、
後ろに並んでいる大勢に文句を言われるか、
どちらがいいのかわかりますよね♪
行列に並んだら、あなたの後ろにもピッタリと密着してきますが驚かないで下さいね。
<自動販売機>
密着して並ぶのが嫌な人は、自動販売機を利用しましょう。
自動販売機では、小銭やお札は使えますがまだインドではクレジットカードは使えません。
自動販売機では、列車の絵が描かれた初期画面にタッチします。
言語は日本人にもわかりやすい「English」にしましょう。
目的駅を見つけるのに戸惑うかもしれないので、予め路線を確認することを推奨します。
最後に「Yes」をタッチするとトゥークンが出てきます。
但し、残念なことにインドの自動販売機は作動していないことがよくあります。
その場合は、友人窓口に並ぶしかトゥークンを購入する方法はありません。
<ツーリスト・カード:Tourist Card>
有効期間:1日、3日の二種類
ツーリスト・カードも窓口で買うことができます。
~窓口~
カード料金:50Rs(約85円)のディポジット + 最低150Rs(約255円)のチャージ
「ツーリスト・カード」
「スリーディズ」
これだけで通じます。
200Rsを窓口で出すだけで、早口英語の聞き取りにくい会話もほぼ必要ありません。
ぼったくりタクシーやリキシャと毎回戦うストレスを考えてみましょう。
メトロに乗るたびに、毎回トゥークンを買うストレスを比較してみて下さい。
渋滞もなく、外の喧騒とはかけ離れたメトロは本当にオススメの移動手段です。
ツーリスト・カードのデメリットは、空港線(Airport Line)では使えないことです。
ディポジットの50Rsは、嬉しいことにカードを駅窓口に返却すると返金されます。
<チケット購入後の流れ>
無事にチケットを購入したら、改札口を通ります。
ツーリスト・カードかトークンを、自動改札機の水色の丸い部分にタッチするだけです。
多少タイムラグがありますが、赤い扉が開きます。
各ホームへの案内板は、終着駅名で表示されています。
ホームからの乗車方法と降車方法は日本とほぼ同じです。
ルール道徳を守らないインド人が、車内飲食禁止だけはきちんと遵守しています。
危険な雰囲気もなく、汚いカオスな鉄道と比較するとかなり快適ですよ。
改札出口を通るときにトゥークンは自動改札機に入れます。
ツーリスト・カードは、反応は鈍いですがタッチするとドアが開くので日本と変わりません。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
追伸
今回ご紹介した「クトゥプ・ミナール」とメトロの利用方法はいかがでしたでしょうか?
一つの観光地でも、歴史やその地で起きた知識を得るだけで少し楽しくなりませんか?
また、ツアーに参加したら確かに楽に安心して観光地を巡ることが出来ます。
しかし、自力で目的の観光地に辿り着いた時の喜びはツアーでは味わうことは出来ません。
って言っても、それほどハードルは高くないのがデリー・メトロの移動方法です。
リクシャやタクシーのトラブルを回避して、メトロを利用すれば行ける気になりませんか?
今回紹介した2つが、あなたのひとり旅に役に立てば幸いです。
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