シンチャオ、旅ブロガーのファインです。
あなたは、ベトナムの「テト」をご存じでしょうか?
ベトナムのテトは、旧暦に基づいて決められるので毎年変わる祝祭日です。
2021年は2月10日~16日までがテト正月のお休みとなり春節とも呼ばれています。
ベトナムでは、テト休暇の5連休が定められているのです。
2022年のテトは、2月1日(火)でした。
つまり、1月31日(月)が日本での大晦日にあたります。
テトの催し物として、24:00を回ると15分間も花火が打ちあがります。
日本の除夜の鐘のようなものかもしれませんね。
ということで、今回は「ベトナムのテト」と「フエ観光」について語ります。
テト:Tết Nguyên Đán
ベトナムの旧正月は、1月下旬~2月中旬の間がテトとなります(太陰暦により毎年テト期間は異なります)
テトには、家に金柑や桃、梅などを飾る習慣があり、街全体が華やかになります。
日本の卒業旅行シーズンと被るので、ベトナムのテトを観た日本人は多いでしょう。
但し、色鮮やかな街並みを観れるというメリットばかりではありません。
テトの時期に、列車移動を考えているとかなり酷い目に合うことが予想されます。
どういうことか、我々が列車のチケットを購入することが非常に難しくなるのです。
窓口で日時を告げると、
「テトの期間は満席です」
との返事が返ってきます。
日時を変更して、何度も翻訳アプリで試しましたが、ファインはすべて失敗しました。
ハノイからフエまで670キロ、13時間の寝台列車の旅を諦めることになったのです。
<テトによる影響>
①急激なインフレ
ベトナム国内中で、いろいろな物が値上がります。
飲食は勿論、宿泊費も高騰します。
節約バックパッカーは、テトの時期をあえて避ける人も少なくありません。
②結婚式増
ベトナムでは、テト明けの時期に結婚するのことは「縁起が悪い」とされています。
つまりテト前に挙式するカップルが増え、式に参列する為移動する機会が増えるのです。
③治安の悪化
治安のいいベトナムですが、テト準備のためにお金が何かと必要になるのです。
経済発展が目覚ましいとはいえ、まだ日本よりは経済的には下回っています。
その結果、観光客狙いのスリやひったくりが急増する「負の連鎖」が起こるのです。
④忘年会の増加
ベトナムは、たくさんの忘年会があります。
日本人の感覚では忘年会は夜ですが、ベトナムでは朝から忘年会を始めます。
この時期、早朝からカラオケ大会が見れるのは、実は忘年会なのです。
⑤帰省ラッシュ
日本のお盆や年末年始と同じ感覚です。
バス・汽車・飛行機などあらゆる国内の交通手段が満席になります。
ファインは、この影響を受けてしまったのです。
⑥街中から人が消えます
都市部で働く地方出身者が、民族大移動のように故郷に帰ります。
ホーチミンやハノイの大都市では人が急激に少なくなります。
つまり、日常のベトナムの姿を観ることができないのです。
⑦ お店が開いてない
これは、旅人にとっては大問題です。
市場やスーパーマーケット、食堂、屋台、軒並み休業しています。
開いているのは、料金が普段の2~3倍になっている店のみでした💦
上記のことから、テトの時期にベトナムで過ごす人は注意が必要となるのです。
フエ観光のベストシーズン:Hue Tourism Season
ファインは雨期から乾季に変わる季節がベストシーズンと情報を得ていました。
ざっくりですが、フエの2月~8月は乾季、9月~翌年1月が雨季となります。
つまり一月下旬から二月上旬が季節的には観光をするには最高なんです。
「季節的にはですよ!」
この時期にフエを訪れる方々は、スケジュールはしっかりと組みましょう。
ベトナム国内移動に失敗し、帰国便に乗れなかったなんてことにならないように、
卒業シーズンとテトの時期は被るのでスケジュール管理にはくれぐれもご注意下さい。
ゲストハウスの少女
テトの時期を甘く見ていたファインは、ハノイからフエまで楽しみにしていた寝台列車に乗れず、仕方なくスリーピングバスでフエに移動を余儀なくされました。
ファインがフエに到着し、予約していたゲストハウスに移動しました。
そのゲストハウスには、小学生くらいの少女がいたのです。
この宿の娘さんかと思っていたら、近所の子供だそうです。(以下の写真はイメージで本人ではありません)
日本人が集まる宿で、何をしているのと不思議に思いませんか?
なんと、日本語を勉強しているとの事でした。
語学学校に通うお金もないので、日本人と話すことで日本語習得を目指しているのです。
「凄い!」
こういう頑張っている子にはぜひ幸せになってほしい。
しかし、ファインには彼女を助けてあげられる力はないのが残念で仕方ない。
宿の方から、
「この子と、日本語で会話してあげるだけで喜びますよ」
ということなので、それくらいならできると思いベトナムの少女とお話ししました。
フエの知識がないファインは、少女にフエ観光の移動手段を色々と質問しました。
その少女は、会話の途中で、
「将来、日本に行ってみたい」
と言っていました。
彼女が日本を訪れた時、キラキラした眼に素敵な国に映ることを願うばかりです。
フエの移動方法4選
フエは、とてもコンパクトな街です。
現地ツアーに参加するのもいいですが、ファインはいつも通り個人で移動しました。
①レンタル自転車:Rental Bicycle
王宮から新市街の宿までは近いので、ファインはレンタル自転車を選択しました。
「タクシー」や「シクロ」利用時の煩わしい交渉はしなくて良いのでお勧めですよ。
レンタル自転車の相場:1日2万VND(約104円)~3万VND(約156円)
②シクロ:Xích lô
フエの移動手段として観光客に人気が高いのは、人力自転車のシクロです。
シクロのドライバーは街中に大量にいるので、観光客なら何度も声をかけられます。
シクロの料金の相場は、市街地をあちこち回ってもらうなら5万VND(約260円)
市内から王宮までは、2万VND(約104円)が相場です。
それ以上の値段を提示されたら、他にもたくさんいるので他のシクロに頼みましょう。
③レンタルバイク:Motorcycle Rental
有名観光地の「カイディン」「ミンマン帝廟」は、市街から10キロ離れています。
自分自身の体力に自信がなければ、自転車は少々厳しいのが現実です。
シクロのドライバーも年配者なので、長距離だとなんとなく気を使います。
そんな時の選択肢にバイクは最適です。
レンタルバイク相場:1日レンタルで7〜10万VND(約364円~519円)
フエを自由に走りたい、という考えの人はこれが一番楽な方法です。
④タクシーorバイクタクシー:cab or motorcycle cab
バイクを運転するのが不安な方は「タクシー」や「バイクタクシー」に頼りましょう。
タクシーの相場:1キロ1万VND(約52円)
「カイディン帝廟」に行く予定の方は片道8万VND(約416円)程度かかります。
<配車アプリ>
なぜ、タクシーを勧めて、ファインの好きなGrabを勧めないのか疑問に思いませんか?
決して書き忘れたわけではないのです。
ハノイにはたくさんいた「Grab」がフエには全くいないのです。
「Grab」の配車アプリを起動しても全然つかまりません。
テトの時期だからではなく、元々フエにはGrabドライバーがあまりいないみたいです。
それでは、徒歩とレンタル自転車とレンタルバイクで、テトのフエを移動しましょう。
ちなみに、「ダナン」や「ホイアン」には、Grabドライバーはかなりいましたよ。
なぜ、フエほどの観光地に「Grabのドライバー」がいなかったのか?
今でも不明です💦
<東南アジアで配車アプリを利用する方法>
配車アプリと言えば「Uber」を思い浮かべる方が多いと思います。
しかし、東南アジアではシンガポールの配車アプリGrabに買収されてしまったのです。
会社名が異なるだけで、利用方法は大きく変わることはありません♪
「Grab」とは、シンガポールの配車アプリの会社です。
配車アプリを利用するには、日本で「Grab」をダウンロードしておきましょう。
理由は、SMS認証が必要だからです。
Grabをダウンロードすると、あなたの携帯番号に4桁の暗証番号が送られてきます。
4桁の暗証番号を入力しなければ、あなたのスマホで「Grab」を利用することが出来ません。
ベトナムでは、アプリを立ち上げて近くのドライバーを待つだけで利用できます。
Uberのようにクレジットカード決済は勿論、現金で払うことも出来ます。
運転手の種類
★Just Grab:最適なGrab運転手
★Grab Car:個人Grab運転手
★Grab Taxi:Grabタクシー
★Grab Bike:Grabバイクタクシー
★Grab Share:Grabの相乗りタクシー
あなたが選んだ運転手の顔写真とナンバーが表示されます。
待ち合わせの際に、予約した運転手と電話やチャットで連絡することが出来ます。
ファインは、メキシコ以外では利用したことありません(言葉がわからないので💦)
会話できない方は、ドライバーから見つけやすい場所で起動することをオススメします。
チャンティエン橋:Trang Tien Bridge
フエ市街地を隔てているフォーン川を跨ぐのが「チャンティエン橋」です。
夜はライトアップが美しく、写真を撮りに来る若者が橋の周囲に集まります。
交通量が多いですが歩道もあるので、歩いてチャンティエン橋を渡ることも可能です。
ちなみに、この橋を設計したのは過去記事で紹介したエッフェルさんの事務所です。
ここで、若者に交じってベトナムのおじさんに話しかけられました。
その時に、ベトナム戦争時代のフエについて少し歴史を語ってくれたのです。
この橋は、フランスからの独立戦争の時に破壊された話は長かったので割愛します。
1968年のベトナム戦争の時にも、チャンティエン橋は破壊されてしまったそうです。
<ベトナムのおじさんの説明>
①フエのテト攻勢
ベトナム戦争の大きな転機となったのが、「フエのテト攻勢」です。
皆さんご存じのベトナム戦争でも、テト期間中は休戦協定が結ばれていました。
しかし、休戦協定を反故にして1968年1月30日テト期間中に大攻勢が始まったのです。
北ベトナム人民軍と南ベトナム解放民族戦線による南ベトナムに対する攻撃です。
このフエのテト攻勢が、ベトナム戦争が終結した大きな要因だと言われております。
②フエ事件
1968年1月30日~2月上旬
テト攻勢時にフエでは大規模な市民への虐殺事件「フエ事件」が発生したのです。
この事件は、テト攻勢の実施に合わせて半ば計画的に行われたものでした。
事前に虐殺相手の優先リストまで用意されていたと言われております。
犠牲者は南ベトナム政府の役人や警察官だけではありません。
学生やキリスト教の神父、外国人医師などの一般市民にまで2000人以上にのぼります。
(一部wiki抜粋)
フエへの行き方
残念ながら、日本からフエへの直行便はありません。
日本からは、ハノイ経由または、ホーチミン経由でフエに行く方法が一般的です。
ハノイからフエ(フーバイ国際空港)までの飛行時間は約70分です。
フーバイ国際空港からフエ市内の距離:約15km
タクシー運賃相場:200,000VND(約1,039円)
所要時間:約20分
エアポートバス運賃:50,000VND(約260円)
所要時間:約30分
ここまで読んでいただきありがとうございました。
追伸
今回ご紹介した「ベトナムのテト」と「フエ観光」についてはいかがでしたでしょうか?
テトの時期に「フエ」を訪れる方は、綿密なスケジュール調整を要します。
ベトナム観光15日間という限られた期間の中で、フエも訪れて欲しい都市の1つです。
また楽しい観光旅行でも、ベトナムではどうしても戦争の話は切り離せません。
ベトナムの歴史を頭の片隅に置きつつ、ベトナムの魅力を楽しんで頂けたら幸いです。
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