ブエナスタルデス、旅ブロガーのファインです。
ファインがクスコを訪れた目的は、言わずもがな「マチュピチュ遺跡」です。
1983年、世界複合遺産に登録され、超が付くほど世界的に有名な遺跡です。
マチュピチュ観光の拠点となる街「クスコ」からは、約70キロ離れています。
70キロと、距離だけを聞いたらすぐに着くと思いませんか?
これがなかなかどうして、油断していたら過酷な移動になってしまったのです。
ということで、今回は「クスコ」から「マチュピチュ村」へ移動について語ります。
マチュピチュ村への移動方法
ざっくりと、後で紹介するツアーを除けば以下の3ルートが基本的な移動方法です。
①タクシー&鉄道
②コレクティーボ&鉄道+ハイキング
③コレクティーボ+ハイキング
最初は、定番となる鉄道移動についてお話しします。
クスコ市街からマチュピチュ村まで、鉄道移動をイメージする日本人は多いです。
しかし、鉄道に関しては通年利用できるわけではありません。
1月から4月のこの周辺は雨期に当たります。
その影響で、雨期の間は、安全面を考慮して鉄道会社が運行をしていません。
つまり日本の卒業旅行シーズンに当たる2月~3月は鉄道移動できないことになります。
5月から12月に訪れる方は、以下の2社が運行している鉄道移動が可能です。
★ペルーレイル(PERU RAIL)
★インカレイル(INCA RAIL)
クスコの起点となる駅は、「ポロイ駅」です。
最寄り駅:ポロイ駅:Poroy Station
所要時間:クスコ市内からタクシーで約22分
アルマス広場からの距離:約9km
運賃:33ソル(約924円)
タクシー代を節約したい人は、クスコで仲間を集めコレクティーボで行く旅人もいます。
鉄道料金は、以下の3種類です。
①「ハイラム・ビンガム」:高いが超豪華/450ドル
②「ビスタドーム」:普通の車内で食事つき/115ドル
③「エクスペディション」:安いけど、お菓子付き/65ドル
※ポロイ駅からマチュピチュ駅までの所要時間:約4時間
ポロイ駅からの運賃は、高額なのでオリャンタイタンボから鉄道に乗る人も多いです。
コレクティーボと呼ばれるバンタイプの車両でオリャンタイタンボまで移動します。
「オリャンタイタンボ駅」から「水力発電所」まで鉄道で移動し、「水力発電所」から「マチュピチュ村」まで歩いて行くルートを選択する旅人も少なくありません。
オリャンタイタンボ駅:Ollantaytambo Station(ポロイ駅とマチュピチュ駅の中間の駅)
1月から4月までの雨期は、ポロイ駅からオリャンタイタンボ駅の列車は運休していますが、実はオリャンタイタンボ駅からマチュピチュ村までは運行しているのです。
ブログやガイドブックで、オリャンタイタンボまでバス移動、
オリャンタイタンボから列車移動を紹介するルートが多い理由が実はこれなんです。
オリャイタイタンボの渓谷
<オリャンタイタンボ駅からマチュピチュ駅>
距離:約47キロ
所要時間:約2時間
かなりの秘境をゆっくり走るので、時間をかけて楽しむ人向きです。
<オリャンタイタンボ泊>
日本人にはあまり馴染みがない場所ですが、このプランは中々オススメですよ♪
特に、高山病に不安がある方は以下の標高を頭の片隅に入れ、オリャンタイタンボ観光とマチュピチュ観光の2つの遺跡を楽しむ方法を検討してみるのもいいかもしれません。
クスコの夜景が望めないのは残念ですが、オリャンタイタンボにも魅力はあります。
▼オリャンタイタンボの標高:約2,846m
▼クスコの標高:約3,399m
▼マチュピチュ村の標高:約2,000m
<オリャンタイタンボの見所>
①インカ遺跡一の広さを誇るオリャンタイタンボ遺跡
川岸の平地と斜面に築かれた建築物はインカの都市建設の主な特徴を備えています。
オリャンタイタンボ遺跡の砦は正面に6枚岩の壁が見どころとなります。
②ウルバンバ渓谷:Valle Urubamba
「インカの聖なる谷:Valle Sagrado de Los Incas」とも呼ばれています。
トウモロコシを発酵させて作られるウルバンバの地酒「チチャ」は有名です。
クスコからの距離:約78km
「お宿桜子」で知り合った大学生は、オリャンタイタンボ泊を選択していました。
高山病は本当に苦しいので、無理してクスコに泊り体調崩しては意味がありません。
高山病で苦しみ、マチュピチュへ行けなかった人も実際にいますから。
それではせっかく地球の裏側まで来ても本末転倒ですよね。
メインイベントは何かを考えて、滞在場所を選択しましょう。
マチュピチュ行きの看板
インカトレイル:Inca Trail
オリャンタイタンボからマチュピチュ村まで、約46kmのインカ道を進むトレッキングです。
欧米人バックパッカーやトレッキング好きの方にとても人気があります。
ブラジルやパラグアイ、アルゼンチンで知り合った欧米人がオススメしていました。
大自然を標高3770m地点まで登ったりしながら、マチュピチュまで行けるのです。
実は、ファインもこのインカトレイルでマチュピチュまで行く予定でした。
しかし「コロナ」の影響によりインカトレイルを断念せざるを得ませんでした。
オリャイタイタンボの風景
出発地点は標高2600mのピスカクチョ。
そこから46kmのインカ道を3泊4日の日程でトレッキングするのです。
話を聞いているだけでも、冒険心がくすぐられワクワクしてきませんか?
ルート:クスコ→(車)→ピスカクチョ→(トレッキング)→マチュピチュ村
このツアーの食事は、なんと料理人が作ってくれるのです。
この料理がとても評判で、ぜひ食べてみたかったです。
自然の中をトレッキングするので周辺にホテルなどはなく、夜はテント泊となります。
ガイドやポーターが付くので、重い荷物を持って歩く必要はありません。
毎日5〜7時間ほどしか歩かないので、冒険というほど大袈裟なものではないです。
500年前使われていた道を歩くなんて、ロマンを感じませんか?
インカトレイルの風景
※ファインは実際に参加していないのでフリー素材からの写真を使用しています。
コレクティーボ:Colectivo
ファインはツアーでもなく、列車移動ではなく、コレクティーボ移動を選択しました。
大体どこで申し込んでもコレクティーボ(乗り合いバス)は、クスコを7時出発します。
くねくね道を走り続けて、通常なら14:00頃「水力発電所」へ到着します。
この水力発電所(Hidroelectica)は、「スタンド・バイ・ミー」コースのスタート地点です。
水力発電所からは、約10キロを列車で行くか、線路を歩いて行くか、2択になります。
スタンド・バイ・ミーコースのスタート地点
「スタンド・バイ・ミー」という映画をご覧になったことはあるでしょうか?
水力発電所からマチュピチュ村まで約10キロを3時間歩くコースが、
あの映画に出てくる線路を歩くシーンに似ていることから名づけられました。
予定通りなら14時頃に水力発電所(Hidroelectica)に到着して、
17時ころにはマチュピチュ村へ到着するはずだったのです。
しかしアクシデント発生です。
ファインが乗車したコレクティーボ(乗り合いバス)が途中で故障してしまったのです。
しかも、山奥の携帯電波が届かないところで・・・・・💦
ドライバーも助けを呼ぶ手段がないと、あきらめ顔です。
しかし、マチュピチュ遺跡のチケットは、入場日時が決まっているのをご存じでしょうか?
その日にマチュピチュ村に到着しなければ、翌日マチュピチュ観光が出来なくなるのです。
ファインには、運転手のようにのんびり助けを待つ余裕もなく、迷っている時間はありません。
地球の裏側まで来て、でまさか人生初のヒッチハイクをするとは思いませんでした。
ファインと一緒に行動していた東京大学の大学生が、お金をビラビラさせて車を止めようと何度も挑戦して頑張っていましたが車は止まってくれません。
バブル時代、夜中にタクシーを止めるイメージです。
とうとう彼は諦めて、故障したコレクティーボの中で眠りはじめてしまいました。
次は、いつ来れるかわからないのでファインは、
「マチュピチュ遺跡観光ができないなんて絶対嫌だ~」
と心なかで叫び、お金で止まってくれないならと、シンプルな正攻法で挑戦しました。
目立たなくては「Hidroelectica 水力発電所」と大きく紙に書いて踊ったのです。
(これが、正攻法かはわかりませんが💦)
羞恥心を捨て踊り続けること約15分、1台の車両が止まってくれました。
やればできる精神で人生初のヒッチハイク成功です。
バスで寝ている東大生を起こして、ファイン達よりも先に乗車していたチリ人カップルと一緒に4人で水力発電所へ向かったのです。
しかし、乗車後この止まってくれた車は、近くの村までしかいかない車だと判明しました。
4人で、降ろされた水力発電所の近くにある村で別の車へ乗り換えです。
しかし、この車もさらに近くの村までしか行かないとのこと・・・・・・。
徐々に水力発電所に近づいてはいるものの、中々たどり着かないので正直焦ります。
早く水力発電所につかないと本日中にマチュピチュ村へ到着できなくなるからです。
不安な表情を浮かべているファインの横でチリ人カップルは
「お腹すいちゃったぁ~」
と、この村のしがない定食屋で食事を始めたのです。
なんとも自由と言うか、余裕があるというか・・・・・・・
以下の写真は、何事にも動じないチリ人カップルと陽が落ち始めたスタンドバイミーコースです。
チリ人カップル
食事を終えたチリ人カップルとファインと東大生は、なんとか水力発電所に夕方到着することに成功しました。
しかし、今から歩いたら絶対、暗くなると思いました。
でも、スタンドバイミーコースを走ったら激流のウルバンバ川へ落ちてしまします。
水泳経験のあるファインでも絶対死ぬ自信があります。
だって、こんな激流ですよ。
「熊出没注意」の看板を目にしながら、(鈴もないしどうやって注意するのか💦)
だんだん暗くなるスタンド・バイ・ミーコースを雨が降る中ひたすら歩き続けます。
暗闇の線路を歩くことは想定外だったので、当然懐中電灯などありません。
4人のスマホの明かりでゆっくり歩き続けます。
結局、4時間くらいかかったでしょうか。
無事にマチュピチュ村へ到着した時、4人で歓声をあげました。
あの時は大変なことになったと思いましたが、今では忘れられない長い一日となりました。
帰りもスタンド・バイ・ミーコースを歩きましたが、全然違います。
往路は暗闇の中を歩いて、すごく危険で大変だと感じたスタンドバイミーコースが、
復路はハイキング感覚で、すごく楽ちんで所要時間3時間もかかりませんでした。
スタンド・バイ・ミーコースの線路
カサ マチュピチュ ホステル:Casa machupicchu Hostel
ファインが、マチュピチュ村でお世話になった線路と川に挟まれた安宿です。
スタッフも親切で、値段も安く快適に過ごせました。
ただグーグルマップが示す場所とは違う所にあるので、探すのに少し苦労しました。
いろんな人に聞いて、クタクタになりながらたどり着くことが出来ました。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
追伸
今回ご紹介したマチュピチュへの移動トラブル体験記はいかがでしたでしょうか?
実は、チリ人カップルとは翌日もマチュピチュ遺跡へ行く途中の階段で出会いました。
別行動した東大生もチリ人カップルと出会いハグして、盛り上がったそうです。
その東大生とはマチュピチュ観光後に「アルパカステーキ」を一緒に食べて別れました。
彼は、復路に列車を利用したそうです。
ファインのようなことは、なかなか起こらないと思います。
夜のスタンドバイミーコースは危険ですが、昼間は快適なので個人的にはお勧めです。
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