ナマステ、旅ブロガーのファインです。
あなたは、1983年に世界文化遺産に登録された「アーグラ城」をご存じでしょうか?
アーグラ城は、タージ・マハルから約2kmほど離れた美しい城壁です。
別名:レッドフォード
デリーにある「ラール・キラー」もレッドフォードと呼ばれているので、初めて訪れる観光客は勘違いをする人も多いですが、デリーのラール・キラーとは別の要塞です。
タージ・マハルを建てた「シャー・ジャハーン」が死ぬまで幽閉されていたお城として知られていますが、幽閉したのは14人の子供の1人、次男アウラングゼーブなのです。
彼は、継承争いをした長男と三男を殺害し、父を幽閉してムガル帝国を最盛しました。
アーグラ城を観光する際、 デリー門(Delhi gate)、 真珠モスク (Moti Masjid)
バザール街(Zenana Mina Bazaar)は軍の管轄下により見学不可出来ません。
ということで、今回は切ない歴史を持つ「アーグラ城」について語ります。
アーグラ城:Agra Fort
赤い砂岩で築かれた城壁の色から「赤い城」(ラール・キラー)とも呼ばれています。
首都デリーからの距離:約170km
高さ20m
城壁:2.5㎞
城壁が2.5㎞と聞くと、広大な敷地を想像しますよね?
しかし、約7割が軍の施設になっているので観光客が見れるのはほんの一部分のみです。
遠くから見ると、赤茶色の綺麗な城壁との印象を受けるかもしれません。
しかし、近くに行くとアーグラ場周辺にはゴミの山があり、かなりの異臭がします。
日本のガイドブックには「城」と記載されていますが現地では「砦」と呼んでいます。
駐車場も未整備で、ガイドの売り込みがインドらしく不愉快になるくらい激しいです。
営業時間:日の出~日没
入場料:500RS(約897円)
カメラ持ち込み料:25RS(約45円)
ADAチケット:インド考古学会に払う観光税
タージ・マハルと共通なので、入場料が550Rs(約987円)になります。
※現在は、600Rs(約1,077円)に値上がりしています。
※ADAチケットとは「インド考古学局」に対して支払う料金です。
アーグラの主な観光名所で入場料とは別で支払う必要があります。
金額は入場する施設により異なります。
但し、
①アーグラ城
②ファテープル・スィークリー
③スィカンドラー
④イティマド・ウッダウラー廟
は同日のみ使用できます。
アーグラ城の内部
シャージャハーンが幽閉されてたことで有名なアーグラ城を建設したのは、3代目皇帝アクバル(ジャラール・アッディーン・ムハンマド)で完成まで約10年かかりました。
~アーグラ要塞観光スポットベスト5~
①アマル・シング門:Amar Singh gateとアクバル門:Akbar gate
全て赤砂岩で作られているアマル・シング門で、チケットの購入ができます。
観光客は、アマル・シング門から入場します。
アクバル門の由来は、ムバール帝国第3代皇帝アクバル大帝から名づけられました。
アマル・シング門
②公謁殿:ディーワーニ・アーム
間口約70m、奥行き約25m の、謁見や裁判が行われた赤砂岩の大ホールです。
当時から、市民は「ディーワーニ・アーム」まで入ることが許されていました。
ディーワーニ・アーム
③ジャハーンギール宮殿:Jahangir Mahal
広大で綺麗な庭園と、左右についた小塔が特徴的な宮殿です。
イスラーム・ヒンドゥー建築の融合と外観の壮大さと内装の芸術性に目を奪われます。
ちなみに「ジャハーンギール」とは、アクバル大帝の息子の名前です。
ジャハーンギール殿
④皇帝の寝殿:ハース・マハル/Khas Mahalとアングリー庭園/Anguri Bagh
白い大理石の神殿とアングリー庭園をバックに写真を撮るのは定番みたいですね♪
⑤八角形の塔:ムサンマン・ブルジュ
ガイドブックでは、「囚われの塔」と記載されていることが多いです。
写真を撮っている観光客もたくさんいて、個人的には一番の見どころだと感じました。
5代目皇帝シャー・ジャハーンが晩年に息子に幽閉された場所が「ムサンマン・ブルジュ」なのです。
別名:八角形の塔とも呼ばれ、ここからあの「タージ・マハル」が見えます。
ムサンマン・ブルジュ
ムサンマン・ブルジュ②
アクセス:Access
最寄り駅:アーグラ・フォート(Agra Fort)駅 徒歩8分
<鉄道>
ニューデリー駅(New Delhi)からアーグラ・カント駅(Agre cantt R.S)
所要時間:ガティマンエクスプレス(Gatimaan Express)約1時間40分
日本語では、ガティマン急行と訳されることが多いです。
早朝出発便なので、日帰り予定の方は検討の余地あり
特急列車Shatabdi Expressで約2時間
日本語では、シャターブディー急行と訳されています。
急行列車約3時間半
アーグラ・カント駅からアーグラ城までの距離:約4.5km
所要時間:オートリキシャで約11分
<バス>
デリーのサラーイ・カレ・カーン・バススタンド(Sarai Kale Khan Bus Stand)発
最寄り駅:ハズラト・ニザームッディーン駅(Hazrat Nizamuddin R.S)
~到着バス停は2ヶ所~
①KARAN GENUINE PARTS
②Mahatma Gandhi Rd
所要時間:アーグラ迄の約5時間(高速道路を利用するバスは、約3時間半)
運賃:400Rs(約717円)~1,400Rs(約2,510円)
※デリーにはメトロ駅と鉄道駅があり、駅名にR.Sと付くのは鉄道駅を指します。
アーグラ城
アーグラ城入口周辺
アーグラ城の入り口周辺には、子供の物乞いたちがたくさんいました。
彼らは入口で警備員に停められるので、アーグラ城には入れず入口周辺で観光客にお金を求めてきます。
我々日本人観光客は、貧しい子供を見ると助けてあげたくなる衝動にかられますよね。
しかし、彼らにお金をあげるとインド人からは白い目で見られてしまうことをご存じでしょうか?
物乞いをしている子供たち全員ではないですが、実は観光客が子供に渡したお金は、彼らの後ろにいる悪い大人の懐に入る仕組みになっているのです。
その悪い大人たちが、子供を利用しお金を稼いでいる仕組みがインド中で存在します。
観光客には本当に貧困の子供なのか、大人に利用されている子供なのか見分けがつきません。
そのようなときは、我々観光客はどのような行動を取ったらいいのでしょうか?
正しいか自信ありませんがファインは、旅をしている時に貧困の子供に出会った場合はお金ではなく食べ物をあげるようにしています。
食べ物ならば、すぐ口に入れるので悪い大人の私腹を肥やすことに繋がらないでしょう。
貧困層の子供
また、手がない人や足がない人もアーグラ城周辺でよく見かけました。
これも不憫に思いお金をあげる日本人観光客が多いですが、インド人からは白い目で見られます。
手足がない彼らの後ろにも、先ほどと同様に悪い大人たちの存在があるのです。
インドでは、普通に働くよりも観光客からお金をもらう方が稼げる現実があります。
健常者よりも体の不自由な人の方が、お金を恵んでもらえる確率が高いのです。
それを知った悪い人が、健常者の手や足を切って観光客にアピールしているのです。
インドで体の不自由な人に寄付する行為は、そのような人を増やすことだと思われています。
本当に手足が不自由な人もいますが、我々日本人観光客には見分けがつきません。
体の不自由な人にお金を寄付する行為は、白い目で見られていることを認識しましょう。
勿論、善意の行為を踏みにじるようなことをしている人々が一番悪いのは誰しもが思う事です。
しかし、インド観光においてその彼らの片棒を担ぐような行為はしたくないと思いませんか?
右腕のない老人
激しい勧誘
アーグラ・フォート駅から、アーグラ城へ向かう途中に観光客は物売りに囲まれます。
日本人は、欲しくなくても面倒で仕方なく購入する人が少なからずいます。
しかし、この行為インドでは逆効果なのです。
押しに弱いと思われたら、物売りの人数が2倍に増えて激しさが増すことになりますから。
激しい勧誘の対処方法は、「無視」することが一番なのです。
「要りません」
「高いよ」
「触らないで」
などとあなたが反応するだけで、彼らは付け入るスキがあると喜びます。
そんな彼らは
「これ、買ってください」
とは決して言いません。
日本人観光客がお土産購入を断ると
「なぜ買わない」
と言ってくるのです。
なぜと言われても・・・・・・・・日本人観光客の苦手なタイプじゃないですか?笑
インドでは、あなたの存在が目に入りません、的な雰囲気を出すのが一番効果的です。
彼らの激しい勧誘で、多くのインド人に囲まれてはいけない理由がもう一つあります。
それは、囲んでいるインド人の中に「スリ」が紛れ込んでいることです。
バッグを掴んでくるインド人が多い中、多少バッグに手が当たるくらいでは気づきません。
スリは、その土産を売る人たちに紛れて、観光客の財布を盗むのです。
インド人に囲まれたら、バッグやリュックは体の前に持って無視し続けましょう。
「このキーホルダーいいなぁ」
「あなたの帽子かっこいいなぁ」
など、身に着けているものを褒めてくる攻撃にも注意が必要です。
鬱陶しいと思い、それをあげちゃうと彼らの思うつぼですから。
(ファインは、「帽子くらいあげてもいいかぁ」と思いついあげてしまったのです)
その後、勧誘の激しさが増し、前から後ろから右から左から逃げ道をふさがれてしまいます。
こうなると、もう観光どころではありません。
彼らは調子に乗り、
「俺にもくれ」
「もっとくれ」
とどんどん行動がエスカレートしていきました。
囲まれている日本人を助けに入る行為も逆効果なので、静観し続けることが大事です。
不愉快になる気持ちをグッと抑えて、アーグラ城へ入場するまでは「無視」を貫きましょう。
アーグラ城入口
囚われの塔:ムサンマン・ブルジ/Musamman Burj
ムサンマン・ブルジは、八角形塔とも呼ばれています。
ここが、シャー・ジャハーンが息子に幽閉され死ぬまで過ごしたところです。
幽閉されている間は、長女ジャハーナーラー・ベーグムが世話をし続けたそうです。
ヤムナー川を臨む景色が、なんとなく切なさを際立たせてくれます。
ようやく勧誘から逃れアーグラ城へ入場したら、ボディーチェックが待っていました。
ボディーチェックも無事通過して、シャー・ジャハーンが幽閉された塔へと進みます。
囚われの塔の前で写真を撮っていたら、インド人の女子高生たちに囲まれてしまいました。
日本のjkにも言われたことがないのに
「一緒に写真を撮ってください」
とたくさんの若い学生さんたちにお願いされたのです。
騙されてなるものかと、警戒をしていたけど・・普通のインドの女子高生たちでした。
ひとりと写真を撮ると
「私も」
「私も」
とたくさんのインドの女子高生が群がってきました。
日本人が珍しいのでしょうか?
彼女たちからお金を請求されるわけでもなく、笑顔でただ一緒に写真を撮るだけの時間です。
次第に目じりが下がり、デレデレしたアホな勘違い日本人がリクエストに応じます。
あれは、夢か幻か?
なんだったのだろうか?
アーグラ城のムサンマン・ブルジ
ちなみに、ムサンマン・ブルジから肉眼で遠くにタージ・マハルが臨めます。
息子に幽閉されて、どのような気持ちでタージ・マハルを見ていたのでしょうか?
インド大反乱の時イギリス軍が攻めてきた時に、空けられた穴がしっかりと残っています。
ヒンドゥー建築とイスラム建築が融合した建築物なので、小さいながらモスクがあります。
人間がひとり入れば一杯というくらい狭いので観光客が順番に入ります。
ガイドさんが教えてくれなければ、絶対に気がつかないほど狭いモスクです。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
追伸
今回ご紹介した「アーグラ城」は、いかがでしたでしょうか?
少々重たい話になってしましましたが、インドの現実を知ることも大切だと思います。
今回紹介した「アーグラ城」も1983年世界文化遺産に登録されています。
アーグラ城は、タージ・マハルから近いのでセットで観光する人が多い傾向です。
アーグラ城の囚われの塔から、妻が眠るタージ・マハルが遠くに見えます。
実の息子に幽閉されて、切ない歴史を感じるアーグラ城はインドお勧めの観光地です。
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