添乗員を目指しているあなたへ、「添乗員の資格」と「大変だった体験談」#100

苦悩する女性添乗員旅行
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こんにちは、旅ブロガーのファインです。

添乗員の仕事は、ずばり「旅程管理」です。

旅行会社が企画し販売するパッケージツアーもしくは団体旅行に同行します。

ツアーが安全かつ円滑に運行されるかは添乗員次第と言っても過言ではありません。

お客様の要望に応えつつ、交通機関や各種施設との調整や対応を行います。

旅程管理が添乗員の仕事という事を理解していないお客様は多いです。

ガイドと同じだと勘違いしているお客様を満足させるのは大変ですがやりがいはあります。

 

 

ということで、今回は投稿100回を記念して、添乗員について語ります。

 

 

添乗員の資格:Tour Conductor Qualifications

「旅行業法第十二条の十一」

「主任添乗員として仕事を行う場合、観光庁長官の登録を受けた登録研修機関が行う旅程管理研修を修了したうえで実務経験のある人材でなければならない」

これが旅行業法で定められています。

つまり、日本国内ではツアーコンダクター資格のない方は添乗員をできないのです。

 

添乗員には『旅程管理主任者』の資格が必要です。

<2つの添乗員資格>

①国内旅程管理主任者

国内のみ添乗ができる資格

②総合旅程管理主任者

国内・海外ともに添乗できる資格

 

<国内旅程管理者合格率・難易度>

資格の合格率は約98%

つまり受験すればほとんどの方が合格できます。

~必須条件~

「法令・約款」

「国内添乗」

上記2科目の座学授業後、修了テスト

観光庁長官の登録を受けた機関が実施する旅程管理研修の修了者(合格者)

旅行業法で定めた一定の添乗実務

 

~旅程管理研修~

まず座学で授業を受けた後、筆記試験があります。

その後、実務研修といい実際にバスに乗り研修を受けます。

つまり「筆記+実務」の2つ修了すれば国内の添乗員資格を得られることになるのです。

実務研修についても、旅程管理研修終了後、前後1年以内に1回以上必要になります。

都合により1年を過ぎてしまった場合、3年以内に2回以上の実務研修が必要です。

※資格保持者でも各旅行会社や添乗員派遣会社で更に研修を受けることもあります。

ファインは、このバス研修で多くの添乗員を指導してきました。

筆記試験合格者をバス1台に約40人程度、添乗業務の基本を車内で教えるのです。

この団体でのバス研修に日程的に参加できない人もいます。

その方は、実際にお客様がいるツアーにサブ添として同乗する形式で実務を学びます。

サブ添 = サブの添乗員

実際のツアーで先輩添乗員について、同行するので他人の添乗姿勢を見ることが出来ます。

どちらがいいとは言えませんが、それぞれにメリットはあります。

1台40人程度のバス研修に参加すると、間違いなく友達が出来るでしょう。

添乗員を目指す方は、比較的に社交的な人が多いので仲良くなるのも早いです。

添乗デビューでも、一緒に研修を受けた仲間に現場で再会したら不安も和らぎます。

サブ添で、先輩添乗員に同行するとよほどの方でない限りその後も助言をくれるでしょう。

個人的には、バスで40人もの添乗員のタマゴを教えるのも楽しかったですし、サブ添として付いた方の添乗員デビューは自分の添乗よりも心配になるものです。

観光バス観光バス

 

<総合旅程管理主任者合格率・難易度>

合格率は約70%~80%

~必須条件~

「法令・約款」

「国内添乗」

「海外添乗」

上記3科目の座学授業後、テスト

実際に海外旅行の実務

国内旅程管理主任者よりも難易度が高いですが、やりがいはありますよ。

総合旅程管理主任者で落ちる方は、英語の試験でつまずく人が多い傾向です。

また英語試験を合格しても、実務経験をやらずに資格保持に至らない方もいます。

英検4級程度のファインが合格できたのですから、高度な英語力は必要ありません。

海外の添乗員デビューに関しては、添乗員派遣会社により大きく異なります。

ある程度国内天井の経験をさせてから、海外添乗にデビューさせる会社がある一方、

添乗員デビューで、1本目から海外添乗をアサインする会社もあります。

これに関しては、賛否両論ありますが、どちらがいいとはハッキリと言えません。

 

 

 

初めての添乗デビュー

国内1回目の添乗は、ベテラン添乗員と一緒にバスに同乗させる会社が多いです。

業界では、「サブ添」と呼ばれています。

ベテラン添乗員と一緒にツアーに同行して添乗員の勉強をします。

何か問題があっても、ベテラン添乗員が処理してくれるので心配することはありません。

ミスをしても先輩添乗員が責任を取ってくれますからドンドン失敗しましょうwww

 

問題は、一人で添乗員デビューするときです。

おそらく殆どの方が国内日帰りバスツアーが添乗員デビューとなるでしょう。

その時は、ミスしても落ち込まなくて大丈夫です。

一生懸命頑張っている姿は、お客さんも必ず見ています。

お客様アンケートでは、ベテラン添乗員より初添乗員の方が評価が高いことも珍しくありません。

厳しいお客様もいますが、日本のお客様は基本的に優しい方が多いと思いますよ。

ファインの添乗員デビューの時のアンケートは、かなりの高評価でした。

テキパキ添乗業務をこなしていたわけではありません。

アタフタ、オロオロ、しながらも、全力で頑張っていました。

その姿をお客様が見ていてくれたのです。

 

逆に、添乗経験も積んで慣れてきたころの方がアンケート評価は低かったです。

業務内容もミスなくしていても、デビューの時の評価より低いことは何度もありました。

初めての添乗業務は、緊張するしミスしても当たり前です。

それは、添乗員派遣会社のアサイナーも想定内だと思います。

どれだけ頑張るか、頑張っている姿勢をお客様は見ています。

たくさん失敗した添乗員の方が、高評価アンケートなんて沢山あるのです。

 

 

 

海外添乗を希望されている方

国内である程度経験を積まないと海外添乗員デビューをさせてくれない派遣会社は多いです。

添乗本数にもよりますが、添乗デビューから早くて2年後か3年後が一般的でしょう。

資格保持者の中には、もっと早く海外添乗デビューをしたいという方も多くいます。

そこで海外添乗希望の方は、インバウンド添乗を希望されたらいかがでしょうか?

インバウンド添乗とは、海外からのお客様を日本国内旅行で添乗することです。

通訳ガイドが付くツアーもありますし、海外添乗デビューのハードルを下げてくれます。

 

日本人の国内バスツアーでは、チップ文化がないのでもらえないのが当然です。

しかし、インバウンド添乗ではチップ文化の国から来られたお客様もいらっしゃいます。

日本の添乗員は海外のツアーコンダクターより接客がとても丁寧です。

 

こちらが意図しないような驚く金額をチップで渡されることもあるでしょう。

添乗員の給料はとても安いです。

添乗経験なんて関係なく、自分が評価されたと素直に受け取っても大丈夫です。

チップに関しては、添乗派遣会社に報告義務もないので全てあなたのものですからね♪

インバウンド添乗で、経験を積むのも海外添乗志向の方には近道かもしれません。

海外添乗を目指す方には、上記の理由からも一石三鳥ではないでしょうか。

 

 

 

添乗員はガイドじゃない

勘違いしている人も多いのですが、添乗員の業務は「旅程管理」です。

お客としてツアーに参加したとき、添乗員さんがバスで説明したことと同じ内容を現地ガイドが説明している場面に当たった経験はありませんか?

これは添乗員のやりがちなミスです。

 

添乗員は、ツアーに行く前に情報収集をします。

その得た知識をお客さんにお話ししていい時は、お客様から質問された時です。

お客様からの質問がない限り、現地のガイドが話す内容を伝えてはいけません。

 

なぜなら、添乗員はガイドではないからです。

現地ガイドの話す内容を伝えてしまった時は、ガイドの仕事を奪ったことになります。

その場合、現地ガイドから嫌われるだけならまだいいでしょう。

現地ガイドから添乗員派遣会社又は旅行会社へ

「〇〇添乗員はこのツアーにつけないで下さい」

と連絡が入ってしまうと最悪です。

 

アサイナーも〇〇添乗員が悪気あってしたことではないことは理解しています。

ただ理解していたとしても、現地からの声を無視するわけにはいかないのです。

次にそのツアーにアサインされることは現実的に難しくなるでしょう。

 

ひとつのツアーには、それぞれ役割というものがあります。

それぞれの役割を1本の糸のように、繋げていくのが添乗員の仕事です。

ツアー終了後のアンケートで、「添乗員」と「ガイド」が同じ説明をしていた

と書かれたら添乗員のミスという認識を持ちましょう。

添乗員の仕事は、パンフレット通りツアーが催行さいこうされるように旅程を管理する事ですから。

 

 

 

添乗員vsガイド

ファインが、ある団体のツアーで8台のバスに添乗した時のお話しをしますね。

女性ガイドさん8名、女性添乗員7名+男性添乗員1名(ファイン)のツアーでした。

女性に囲まれて羨ましいと思いましたか?

今でも忘れられない、二度とやりたくないツアーの1つなのですwww

 

きっかけは些細ささいなことだったでした。

 

休憩中に、女性添乗員グループとガイドさんグループが火花を散らし始めたのです。

お互いにプライドがあるので、どちらが正しいかは別として地獄のツアーでした。

食事休憩の時、おしゃべり好きなドライバーさんが一言も口を開かなかった雰囲気です。

 

互いに意見が食い違い、口もききたくない状況に陥りました。

ドライバーさんたちは、運転するだけだから巻き込まないでくれオーラ全開です。

タバコを吸わないドライバーさんさえも食事後、外に出て行きました。

 

しかし、打ち合わせをしなければツアーはどうにもなりません。

ファインが間に入り、ガイドさんたちの意見を聞きます。

その後、添乗員グループの意見を聞きます。

 

両者とも相手側の悪口しか言わないので平行線をたどるばかりです。

でも、休憩室を出たらお客様の前ではバチバチ対立していたのがウソのような笑顔。

こんな状況では、決して相手の方が正しいと言っちゃダメですからね。

 

ファインは、うんうん頷いて、共感してあげることに徹しました。

一言意見を言おうものなら、攻撃対象が全てファインに向けられるのを想像できたので。

女性同士の争いって怖いですよ。www

 

 

 

宴会:Banquet

団体ツアーの添乗をすると、夜の宴会を開くことが多いです。

基本的に、添乗員の仕事ではないので手伝う必要も参加する必要もありません。

しかし、これまでの習慣でホテル側からお手伝いをお願いされるケースがあります。

きっぱり断れる添乗員は多くはないのが現実です。

 

「宴会会場の案内」

「お酒を運ぶ」

「カラオケの準備」

「写真を撮る」

「お酌」

 

などが添乗員が手伝わされる一般的なことでしょう。

 

基本的に上記の業務はボランティアとなります。

お酒が入ると、男性客からセクハラを受けた女性添乗員は少なくありません。

会社側に相談しても、添乗業務外のことなので殆ど話を聞いてもらえません。

 

つまり宴会でのトラブルは、泣き寝入りするしかないのです。

強制的にお酒を飲まされたり、デュエットを強要されることは多々あります。

ファインは、お酒が弱くて音痴なので、この宴会は正直辛かったです。

 

温泉街でコンパニオンを呼ぶ団体は、すべてコンパニオンがしてくれるので楽です。

この宴会で重要なのは、翌日のタイムスケジュールを宴会前に伝えることです。

ちなみに、お酌はあまりやらないほうがいいでしょう。

 

一人にお酌をしたら、全員にお酌をしなくてはなりません。

大事なのは不公平な行動をしてはいけないということです。

人数にもよりますが、お酌をすると宴会途中で抜けることが難しくなります。

あくまでも添乗員の業務は「旅程を管理する」ことですから。

 

 

 

 

ここまで読んでいただきありがとうございました。

 

 

追伸

今回ご紹介した添乗員については、いかがでしたでしょうか?

添乗員デビューするときに、一番嫌なお客様はどういう方か想像できますか?

クレームの多いお客様ではありません。

それは、同業者の添乗員です。

お客様の中に添乗員がいたら、やりにくいことこのうえないですからね。 笑

 

添乗員関連の話はたくさんあります。

今回は、100回投稿記念としてほんの一部だけを切り取って記事にしてみました。

この記事が、将来添乗員を目指すあなたの一助になれば幸いです。

旅行 資格
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管理人

性別    :男性
居住地域  :千葉
<自己紹介>
飛行機が飛ばない状況でも、未知の国へ行く意欲がまったく衰えない旅ブロガーです。ひとり旅を好むが寂しがり屋という矛盾した性格をしています。都内の大学卒業後、旅行会社へ就職。転職後も旅行関連の資格を取得し観光業界へ従事。添乗員を目指している方、国家資格取得を目標にしている方の参考になるネタを投稿していく予定です。海外旅行では、失敗だらけだけど無事に帰国できればokという考えで旅を続けています。同じ旅好き、もしくは観光業界への就職を目指している方々の役に立ちたいという思いでブログをはじめました。旅行に関する情報をシェアしあなたと一緒に成長できれば嬉しく思います♪

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元添乗員のひとり旅

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