国民革命忠烈祠（こくみんかくめいちゅうれつし）の衛兵交代式を徹底解説＃195

ニイハオ、旅ブロガーのファインです。

前回は、「中正記念堂」の衛兵交代式を取り上げました。

台北で、衛兵の交代式が観られるのは「中正記念堂」だけではありません。

「国民革命忠烈祠こくみんかくめいちゅうれつし」ってご存じでしょうか？

日本統治時代の名称は、護国神社でした。

ガイドブック等では「圓山忠烈祠」または「台北忠烈祠」とも呼ばれています。

ということで、今回は「国民革命忠烈祠」について語ります。

国民革命忠烈祠：National Revolutionary Martyrs’ Shrine

1969年に創建された忠烈祠の敷地面積は約5万2千平方メートル。

大都会台北の中心部からあまり離れていない、山々に囲まれた場所にあります。

赤い柱や白い大理石の床が、厳おごそかな雰囲気を漂わせています。

国民革命忠烈祠

日中戦争などで、国のために戦没した約33万人の兵士が祀られています。

大門の先に、広く白い石畳が広っています。

その石畳の奥には、迫力ある赤い屋根の大殿が堂々と聳え建っています。

衛兵の交代式：Changing of the guard ceremony

大門と赤い屋根の大殿には、選抜された兵士が直立不動で守護しています。

瞬きさえ控えていると聞いて、じっと覗き込むと本当に彼らは瞬きしていないのですよ。

その兵士たちが、1時間も微動びどうだにしないのには驚かされました。

直立不動の状態から１時間後、皆さんお待ちかねの「衛兵交代式」が始まります。

大門と大殿の間には、茶色の線が伸びています。

これは、意図的に線を引いたわけではなく行進を繰り返して出来た線なのです。

大門から5人の兵士が隊列を組み、銃を背中に背負い大殿に向かって行進します。

背筋をピーンと伸ばし、軍靴を「ガシャー」と鳴らして行進する姿は一見の価値ありです。

観光客や台湾ＪＫが声を押し殺して観ています。

大殿に到着した衛兵と任務していた衛兵2名と合流後、殿内に向かって敬礼します。

敬礼後、銃を交換する一連の儀式がまたまたカッコイイのです。

銃を交換し交代した2名を残し、３名の隊列を組んで大門へ戻ります。

ちなみに、衛兵の交代式で使われる銃には、弾は込められていないそうです。

交代式が終わると忠烈祠の大門と大殿に、衛兵さんが2人ずつ向き合って立っています。

衛兵さんの近くに、護衛ごえいの係員がいて衛兵さんの汗を拭いたりします。

写真撮影は出来ますが、衛兵さんに触ることは出来ません。

大殿内は禁煙で、脱帽はもちろんのこと、大声でのおしゃべりも禁止されています。

また暑くても、露出ろしゅつが多い服装や乱れた服装はマナー違反になる可能性があります。

衛兵の交代式に選ばれたエリートたち

＜儀杖兵ぎじょうへいの資格＞

• 高卒以上
• 犯罪歴がないこと
• 身長175cm – 195cm
• 体重65kg±1kg
• 厳しい訓練を成し得た者のみ

※衛兵さんは、陸軍・海軍・空軍の兵士が6ヶ月ごとに当番を担当しています。

以下の写真で衛兵さんが台座に乗っているのが、おわかりになるでしょうか？

衛兵さんが、かかとで台座をカーンと鳴らすシーンは、女性でなくてもカッコイイと感じました。

行進こうしんもカッコいいけど、このかかとで台座を鳴らすシーンが個人的に一番好きです。

国民革命忠烈祠の「衛兵の交代式」

＜交代式の予定時間＞

９：００

１０：００

１１：００

１２：００

１３：００

１４：００

１５：００

１６：４０

所要時間：1回の交代式は約20分（雨天時は、短縮）

アクセス：Access

＜ＭＲＴ＆バス＞

最寄り駅：MRT淡水信義線・圓山駅

圓山駅より台北市聯営公車バス番号「紅2」「21」「208」乗車

「忠烈祠バス停」下車、徒歩約3分

＜バス＞

台北駅から、台北市聯営公車バス番号「247」乗車

「忠烈祠バス停」下車、徒歩3分

拝観料：無料

拝観時間：９：００～１７：００

台湾の徴兵制度

中国共産党の軍事力に対抗する目的で、１９４９年台湾全土で徴兵制が開始しました。

台湾の徴兵制度は、1月1日～12月31日までに18歳となった男子が兵役適齢とされます。

現在は、徴兵制の規模を縮小して2018年に志願制へと移行しています。

徴兵検査

対象者が軍務に耐えられるかの判断と配属される軍種を選定する参考とされています。

＜抽選＞

徴兵規則では軍種は抽選により決定され、入営10日前までに通知されます。

徴兵期間は1年

徴兵忌避

①医学系学生が、服薬で身体異常を故意に発生させ徴兵忌避して問題となっています。

医学系学生の徴兵検査不合格率は他の学生に比べ12倍です。

②ブローカー経由で医師が診断書を偽装し、精神病等を理由に兵役免除にする問題が起きています。

③徴兵検査で身長196cm以上と157cm以下、体重110kg以上と45kg以下は不合格となります。

この基準外になるために、暴飲暴食と過激なダイエットが台湾で問題となっています。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

追伸

国民革命忠烈祠の衛兵の交代式は、いかがでしたでしょうか？

日本の靖国神社は終戦記念日ですが、忠烈祠は毎年春と秋に政府要人が参拝をしています。

忠烈祠は屋根がない広場が広いため、水分補給と日焼け止めの準備をオススメします。

余談ですが、台湾のコンビニはなぜか「ファミリーマート」が非常に多いです。

日本のファミリーマートとほぼ同じですが、漢字で「全家」と書きます。

ファミマと言っても通じないので、「チュェン　ジャー」と発音しましょう。　笑