ペルーの首都リマは「チャラ」と呼ばれる海岸砂漠地帯に位置しています。
リマの名称は、市内を流れる「リマック川」を由来とされています。
年間を通してほとんど雨が降らないという地域で、旅人には好都合な土地柄です。
リマと一口に言ってもその範囲はとても広く、旧市街と新市街の2つに大きく分けられます。
リマ旧市街「セントロ地区」は、「リマ歴史地区(Historic Centre of Lima )」という名称で1988年・1998年にユネスコ世界文化遺産に登録されています。
ということで、今回はそのぺルーの首都リマ旧市街について語ります。
アルマス広場:Plaza de Armas
「リマの歴史地区」には、キリスト教の文化遺跡がたくさん点在する観光地です!
その歴史地区の中心に「アルマス広場」があります。
リマで最も古い広場で、経済、文化の中心地として活用されてきました。
アルマス広場と聞いて、
「あれっ?」
と思った方はいるでしょうか?
実は、アルマス広場と呼ばれているのはここリマだけではありません。
アルマス広場という名前の広場は、クスコだけでなく中南米の多くの都市のメイン広場として存在しており、特に有名な代表的なアルマス広場は以下の3ヶ所です。
★クスコ(ペルー)
★サンディエゴ(チリ)
★ハバナ(キューバ)
①ペルー政庁舎:Palacio de Gobierno
リマのアルマス広場にある「ペルー政庁舎」の一番の見どころは衛兵交代式です。
警察官が周囲を封鎖し始めるので、
「これから始まるんだなぁ」
と雰囲気で分かります。
観光客は、ペルー政庁舎の外から道路を挟んだ警察官越しから観るので、最初は近くで観ることが出来ないと誤解して立ち去ってしまう人もちらほらいましたね。
しかし、衛兵交代式の流れは、騎馬隊が行進し始め、衛兵の音楽隊がペルー政庁舎から出て来るのです。
銃を持った衛兵が、その音楽隊の後に続きアルマス広場を一周するので行進をしている衛兵さんたちを数メートル近くで観ることが出来ます。
他の国でも、衛兵交代式を拝見しましたがペルーは独特でした。
銃を使うパフォーマンスは、台湾でも見たので珍しくはありません。
他の国でも衛兵の交代式は観てきましたが、その中でも台湾が一番隊列が綺麗でした。
音楽隊や騎馬隊などの演出が南米独特の雰囲気があり、やや派手な印象を受けます。
開催時間:毎日正午
所要時間:約30分
アクセス:Access
ファインが宿泊した「お宿桜子」からは、ローカルバスで行くことが出来ます。
宿の近くに電車が通っていますが、残念ながら電車では旧市街へは行けません。
タクシーやウーバー以外では、ローカルバスで行く方法が一般的です。
旧市街の最寄りバス停:アバンカイ通り(Abancay Avenue)
運賃:2.5ソル(約70円)
車掌さんか乗客に「Abancay Avenue」のメモを見せるだけで降車場所を教えてくれます。
汚い川を2つ超えたら、人通りが多くなってくるので雰囲気でもわかります。
リマ大聖堂:Catedral de Lima
アルマス広場にあるカテドラルは、南米大陸最古の大聖堂と言われています。
カテドラルの前にヤシの木が並んでいるのが、他国の大聖堂との異なる特徴です。
リマ大聖堂は1535年に建設をはじめ、1540年に完成した当時は現在よりもかなり小規模でした。
幾度となくリマを襲った大地震のたびに修復と増築を繰り返してきました。
1541年からその時代の「バロック様式」や「ロココ様式」、「ゴシック様式」「ネオクラシック」などの長所部分をうまく取り入れて調和させ現在の姿に変化していったのです。
バロック様式 = 欧州で流行した豪華で大きく華麗な芸術様式
ロココ様式 = 岩を由来としている言葉で、貝殻の曲線を多用したインテリア装飾
ゴシック様式 = 混乱や無秩序が支配する野蛮な様式だとして侮蔑の意味
ネオクラシック = 新古典主義と訳され、現代的に創作されたスタイル
旧市街の教会群
リマにあるセントロ地区の街並みは、他国の都市と似たような感じです。
キリスト教信者ではない限り、たくさん教会があってもあまり興味が湧かないと思います。
一応、下記の教会はすべて訪れましたが、軽く見た程度で印象に残る事はありませんでした。
①サン・フランシスコ教会(Iglesia y Convento de San Francisco)
②メルセー教会(Iglesia y Convento de La Merced)
③サンペドロ教会(Iglesia de San Pedro)
④サント・ドミンゴ教会(Iglesia y Convento de Santo Domingo)
⑤サンタ・ロサ・デ・リマ教会/修道院(Iglesia y Monasterio de Santa Rosa de Lima)
⑥ラス・ナサレナス教会(Iglesia de Las Nazarenas)
⑦ロス・デスカルソス教会(Iglesia y Convento de los Descalzos)
唯一上記教会からひとつだけ観光を勧めるとしたら、サン・フランシスコ教会だけですね。
ここは地下墓地(カタコンベ)が有名で、綺麗に人骨が並べられています。
人骨は柵から丸見えでかなりリアルでした。(個人的な印象では子供には刺激が強すぎるのではないでしょうか)
ここには、約2万5千体の人骨があるので、苦手な人は見ない方がいいかもしれません。
城壁公園:Parque de la Muralla
教会群の観光に飽きたら城壁公園にくることをオススメします。
城壁公園は、1684年から1687年にかけて建設された城壁を保存展示しています。
ガイドブックでは「ラ・ムラジャ公園」と記載されていることもありますが同じ公園です。
アルマス広場の喧騒から逃れたい方は、とても静かなので落ち着けますよ。
上記で紹介した「サン・フランシスコ教会」から徒歩4分です。
正面に見えるサン・クリストバルの丘を眺めながらベンチに座りランチを楽しみましょう。
ちなみに、眺めるだけで決して一人では、サン・クリストバルの丘に行かないで下さい。
好奇心旺盛なファインでも、ブラジルのファベーラと同じ空気を感じましたから。
ノンストップのツアーバスもありますが、カメラ禁止などの細かいルールがあります。
写真を撮れなきゃ行く意味ないし、眺めるだけなら城壁公園からの景色で満足できますよ。
サン・マルティン広場:Plaza San Martin
ペルー独立100周年記念事業の一環で、市民の憩いの場として作られました。
ペルーの独立を宣言したホセ・デ・サン・マルティンの名を冠した広場です。
ちなみに、リマ歴史地区に世界文化遺産が2度登録されているのはご存じでしょうか?
上記で紹介してきたのは1988年に登録されたもので、1998年に世界文化遺産に登録されたのはこの「サン・マルティン広場」なのです。
同じ名前で、2回登録されている世界文化遺産って中々ないから興味深い街ですよね。
サン・マルティン将軍の騎馬像は、大理石の手すりや半円形の腰掛けが施されています。
ちなみに、植民地時代を終わらせるべく立ち上がったサン・マルティン将軍はペルーの英雄です。
1821年スペイン王党派を破ったことにより、ペルーは独立を宣言しています。
ちなみに、サン・マルティン将軍はペルー人ではなくアルゼンチン人です。
アルゼンチン、チリ、ペルーをスペイン支配から解放するべくアンデス山脈を越える姿を表現しているのが上記の騎馬像で、現在でもペルー人から尊敬されています。
ラ・ウニオン通り :Jirón de la Unión
アルマス広場とサン・マルティン広場をつなぐ旧市街のメインストリートです。
この通りには、おしゃれなカフェやレストランがずら~りと並んでいます。
人通りも多く両サイドの建物はカラフルで、歩いているだけでも楽しい雰囲気です。
大道芸人や似顔絵を描いてくれる人などもたくさんいて、常に賑わっています。
時々警官が来て大道芸人たちは追い払われますが、しばらくするとまた現れます。
以前は屋台が多かったらしいですが、ファインが訪れたときは全然ありませんでした。
警察の取り締まりにあったという話を現地の方から伺いました。
ペルーの伝統儀式アヤワスカ:Ayahuasca
アヤワスカとは、古代から伝わる伝統的な体や心を整える儀式です。
その儀式を行うのはシャーマンと呼ばれている日本でいう祈祷師や巫女のような方です。
怪しいと思いませんか?
ファインの第一印象は、そう思いました。
しかし調べてみると夜に行われる神聖なペルーの文化遺産として行われている物でした。
アヤワスカでは、まずツル状の植物を長時間煮込み茶色い液体を作ります。
暗闇の中で行われる儀式の際に、この液体をシャーマンの元で1杯分程飲むのです。
毒素を体から排出するので、人により嘔吐や下痢をともなったりするそうです。
この情報は「お宿桜子」にいたアワヤスカ経験者の旅人が言っていました。
ファインも誘われましたが、マチュピチュの予定があったのでいかなかったです。
この嘔吐によって、大きなデトックス効果が得られるみたいです。
ちなみに、旧市街でこのドリンクを売りつけてくる人がいます。
彼らは、最初は1万円くらいから交渉が始まります。(怪しい)
こちらが渋ったら、急に5千円になるのです。(超怪しい)
それでも、渋ったら2千円くらいになりました。(絶対嘘だ)
シャーマンは、修行と経験を積んだごく一部の人しかなれません。
ツル状の植物を長時間煮込んだだけの液体を飲んでも、効果はないのです。
旧市街で、声をかけてくる人は100%アワヤスカ詐欺ですから。
帰国後に聞いたのですが、日本人は騙しやすいとの事で彼らに狙われているそうです。
アワヤスカは、6時間くらいかかる儀式を行うものです。
それを怪しいドリンクを飲んだだけで・・・
「誰が信じるか~」
体の状態に合わせて調合してくれるものなので、その辺で入手できるものではありません。
彼らは、警官の姿が見えたらそそくさといなくなりました。
でも、信じて購入する人がいるから彼らの様な詐欺集団が存在するのでしょう😢
アワヤスカは、「魂のつる」「死者のロープ」という意味を持っています。
アワヤスカの行われている街「イキトス」は、リマから飛行機で約1時間50分かかります。
アヒ・デ・ガジーナ:ahi de gajina
リマを語る上で、外せないのが「食」ですよね♪
ペルーは、知る人ぞ知る南米随一のグルメ大国だという事をご存じでしょうか?
そのペルーの家庭料理が、メルカドなので気軽に食べることが出来るのです。
特にお勧めしたいのが「ペルー版チキンカレー」との表現がぴったりくる家庭料理です。
鶏肉と牛乳・パン・香辛料で味付けされており、見た目の第一印象は不味そうでした。
アヒ(aji) = 唐辛子
ガジーナ(gallina) = ひな鶏
アヒ・デ・ガジーナは、見た目よりも辛く、カレーのように食べた後から徐々に辛味が追いかけてくる感じを受けました。
リマ市内のメルカド(市場)では、どこでも提供しているのでいつでも食べられます。
リマを訪れた際には、ぜひ一度食することをオススメします。
レセルバ公園:Parque de la Reserva
ファインは海外の夜間外出は、なるべく控えるようにしています。
しかし、「レセルバ公園」だけはペルー渡航前から行こうと決めていました。
それには、理由があるのです。
「公共の公園の中で世界で一番大きな噴水複合施設と、80mの高さに吹き出す噴水」
としてギネスブックに認定されているほど有名で、今話題になっている公園なのです。
もちろん日中も楽しめますが、メインの見どころは噴水ショーが行われる夜間にあります。
治安のいい所ではないので、帰りは宿まで「配車アプリ・ウーバー」を利用しました。
<噴水ショースケジュール>
1日3回 19:15、20:15、21:30
所要時間:15分間
営業時間:15:00~22:30(月曜休み)
入場料:4ソル(約112円)
※安全上1回目の19:15を見たら宿に帰ることを現地のペルー人に勧められました。
ファインは、明るいうちに公園の周囲を散歩しましたが、かなり雰囲気は良くなかったです。
今回は一人で訪れましたが、なるべくなら複数人で行った方がいいかもしれません。
この動画の「水のトンネル」は、数分に1度止まるのです。
つまり水が止まるタイミングで、トンネルをくぐっている方は、確実に濡れます。 笑
濡れるのを承知で、水着で公園に入場する人もチラホラ見かけますよ。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
追伸
今回ご紹介した「リマの歴史地区」は、いかがでしたでしょうか?
旧市街の見どころは少なく、観光しないで宿でダラダラしている旅人も多かったです。
長期旅行をしていると、見どころが少ない観光地+居心地のいい宿 があればそうなりますよね。
でも最後に紹介した「レセルバ公園の噴水ショー」は、一度は観る価値ありますよ。
13基の噴水に、光と音楽のショーは男性だけでなく女性や子供は間違いなく喜ぶでしょう。
ウーバーを使えば危険な目に合う確率も低くなると思います。
せっかく地球の裏側に来たのですから、どんどん積極的に外出していきましょう♪
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