ボンジュール、旅ブロガーのファインです。
あなたは、モン・サン=ミッシェルをご存じでしょうか?
フランス観光で人気の「モン・サン=ミッシェル」はサン・マロ湾に浮かぶ小島です。
現在は橋が架かっていますが、以前は満潮時には海に浮かび、干潮時には歩いて渡れる小島でした。
ヨーロッパ最大級の干満差で、最大15メートル以上もあるといわれております。
過去には、この激しい潮の満ち引きにより命を落とす巡礼者が数多く出ました。
そこで、生まれれた言葉がこの記事のタイトル
「モン・サン=ミッシェルに行くなら遺書を置いて行け」
なのです。
ということで、今回は「モン・サン=ミッシェル」ついて語ります。
潮の干満とラムサール条約
1877年、モン・サン=ミッシェルと対岸との間を埋め立てて道路が作られました。
島の入口には潮の干満時刻を示した表示があります。
「満潮時には浜に降りないように」と注意喚起が記されているほどです。
最も大きい潮が押し寄せるのは満月と新月の28-36時間後といわれています。
引き潮により沖合19㎞まで引いた潮が、かなりの速度で押し寄せるのです。
この時に、巡礼者が潮に飲み込まれて多くの命を奪ったとと言われています。
そこで生まれた言葉が、この記事のタイトルなのです。
実は、潮の干満に関係なくモン・サン=ミッシェルへ渡れるようにと、1877年に道路が建設されたのです。
しかし、この道路が潮の潮流を完全にせき止め2mもの砂が堆積してしまったのです。
自然環境を考慮し、2014年に道路が壊されて現在のお洒落な橋が建設されました。
1979年「モン・サン=ミッシェルとその湾」として、ユネスコの世界文化遺産に登録されています。
その湾とは「サン・マロ湾」のことを指しています。
また、1994年にラムサール条約の登録地となっています。
<ラムサール条約>
正式名称:水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約
1971年2月2日・イランのラムサールで開催された国際会議で採択されたことから、一般的に「ラムサール条約」と呼ばれています。
日本では53の湿地が、条約登録されています。
北海道の釧路湿原や福島・群馬・新潟にかかる尾瀬、滋賀の琵琶湖や広島の宮島などが有名ですね。
大天使ミカエル:Archangel Michael
モン・サン=ミッシェルは修道院の名前?島の名前?と質問を受けることがあります。
どちらも正解です。
オベール司教が「大天使ミカエル」のお告げを受け、礼拝堂を作ったのが始まりです。
ガイドさんから聞いたこの逸話がちょっと面白かったので、印象に残りました。
「この岩山に聖堂を建てよ」
と大天使ミカエルからのお告げを悪魔の戯言だと、最初は信じなかったそうです。
2回目の夢でも、アヴランシュ司教オベールは信じませんでしたwww
3回目で稲妻が走ったことで、やっとお告げを信じたとの事ですが・・・・・・・・
大天使ミカエルのお告げで、オベール司教の脳天に穴が開いていたそうです。
現実的には、
「脳天に穴が開いたら死んでいるだろう」
と、ツッコミたくなりませんか?www
また、モン・サン=ミッシェルは、時代の波に飲み込まれ、フランス革命の監獄として利用されていた時期もありました。
また、イギリスとフランスの百年戦争の際には城塞として利用された歴史もあります。
その時に、イギリス軍が捨てて行った大砲と弾丸が現在でも入口に残っているのです。
右の列:チケットを当日購入する人
左の列:チケットを事前購入している人及び団体用
聖ミカエルの山:Mont Saint-Michel
モン・サン・ミッシェルを日本語に訳すと「聖ミカエルの山」となります。
モン=山
サン・ミッシェル=聖ミカエル
という意味です。
修道院の頂点(尖った屋根の先)には、「黄金のミカエルの像」が立っています。
キリスト教徒ではない方はご存じない方も多いですが、大天使ミカエルは3大天使のひとりに数えられています。(他の2人は「ガブリエル」と「ラファエル」です)
あなたは、海外にいる知り合いに「マイケル」という方はいますか?
ドイツ人では「ミヒャエル」
スペイン人では「ミゲル」
イタリア人では「ミケーレ」
フィンランド人では「ミカ」
ロシア人では「ミハエル」
これらはの名前は、全て大天使ミカエルから由来しています。
サッカー選手や映画俳優など、有名人の名前で聞いたことある人も多いでしょう。
モン・サン=ミッシェルの模型
708年オベール司教の夢に大天使が現れたのがモン・サン=ミッシェルの始まりです。
大天使ミカエルのお告げ通り、オベール司教は小さな礼拝堂を建てました。
「モン・サン=ミッシェル」に入ると、当時の模型が展示されています。
966年には修道院が建造され、巡礼地としてどんどん発展していきました。
徐々に時代ごとに大きくなる歴史的模型が複数並んでいます。
これらの写真では、増築して変化しているのがわかるでしょうか?
アクセス:Access
これほどの有名な観光地にもかかわらず、なぜか交通の便が非常に悪いのです。
パリからモン・サン・ミッシェルは約280キロ離れています。
距離的には、ざっくり東京~名古屋くらいの感覚です。
<フランス高速鉄道TGV>
「パリ・モンパルナス駅」から「レンヌ駅」
距離:約337㎞
所要時間:約110分
「レンヌ駅」から「モン・サン=ミシェル」行きのバス
所要時間:約70分
バスターミナルからモン・サン=ミッシェルまで10分~40分(移動手段により異なります)
<日帰りを検討している方は要注意>
レンヌ駅からのバスは、1日4本
「le mont saint michel」がモンサンミッシェル行のバスです。
予定のバスに乗れなかった場合、レンヌ駅で4時間弱も待つ事になります。
予定の時間に間に合ったとしても、満席の場合は次のバスに振り替えられます。
残念ながら日帰り個人移動は、かなり予定が立てにくいのが現状です。
FlixBus:直通バス
「La Défense駅」から「モンサンミッシェルパーキング」まで直通バスがあります。
乗車時間:約5時間半
運行時間:往路7時台、復路17時台
運賃:20€~55€(約2,553円~約7,020円)
※バス乗り場がわかりにくく、遅延のリスクもあります。
但し、このラ・デファンス駅はお洒落でインスタ映えします。
FlixBusを利用しなくても、この駅を訪れるだけでも楽しい気分を味わえるかも・・・
<ツアー会社>
ファインは、旅行会社のバスツアーを選択しました。
朝早いですが、バスの中で安心して寝られるので全く問題ありません。
結論から言うと、この判断は正解でした。
日帰りなら、時間を心配留守必要もないしツアーがお勧めですよ。
添乗員さんも日本人だったし、お客も99%日本人なので安心できます。
ただ1泊するなら、TGVとバスで移動するのもいいかもしれません。
ファインが利用した現地ツアーはモン・サン・ミッシェルパーキングに到着しました。
レンヌ駅からのバスも「モン・サン・ミッシェルパーキンング」に到着します。
<移動方法は4つ>
①無料電気バスで2.5キロを移動(入口から300m手前が乗降場所)8時から24時まで
②徒歩で3キロを移動(30分から40分)
③馬車を使って移動(片道6€)約766円
④公共バス(3€)約383円
往路は「無料電気バス」を利用しました。
このバスは、面白いことにUターンしないのです。
Uターンしないバスなんて、初めて見たので衝撃的でしたwww
どういうことかと言うと、このバスは運転席が前と後ろ両方にあるのです。
つまり対岸パーキングからモン・サン・ミッシェルに到着したら運転手が席を変わるのです。
この写真から、前と後ろに運転席があるのがわかるでしょうか?
厳島神社と友好都市
同じツアーに参加していた広島県民から聞いた情報です。
「ル・モン・サン=ミシェル市(Le Mont Saint-Michel)」と「厳島神社(宮島)」が
ある広島県廿日市市は、観光友好都市なんだそうです。
海に浮かぶ「ユネスコの世界文化遺産」として共通点があるという理由です。
日仏友好150周年の2009年5月に、観光友好都市(姉妹都市)提携の調印を行いました。
プラ-ルおばさん:La Mère Poulard
「モン・サン・ミッシェル」に入るとすぐに左側に赤を基調としたレストランがあります。
「ラ・メール・プラール」の本店がここモン・サン=ミッシェルにあるのです。
命懸けて到着した巡礼者のために栄養たっぷり食事を提供したいと考えたのがきっかけでした。
卵をたくさん使った理由は、海の上に浮かぶ島のためお肉や野菜が入手困難だったからです。
ちなみにフランスでおばさんとは、リスペクトされた名誉ある称号なのです。
つまり、「尊敬されているプラ―ルさん」という解釈でしょうか。
日本での、「おばさん」とは少し意味が違うかもしれませんね。
余談ですが、以前、テニスの伊達公子選手が審判に向かって
「おばさ~ん」
と大声を上げたことはかなり非難されました。
しかし、海外経験豊富な方なら侮辱した意味がないと理解できていたと思います。
<スフレオムレツ:Souffle omelet>
3つのタマゴを使用して作られていて、空気がたくさん含まれているのが特徴です。
日本ではお目にかかったことがないほどフワフワで、満腹度はちょっと低いかなぁ。
泡を食べている感じですが、美味しいですよ。
タマゴを3倍の量になるまで泡立てるので作るのはかなり大変みたいです。
セット料金:35€(約4,467円)
「いや~、卵料理にしてはかなり高いなぁ~」
という印象をファインも受けました。
しかし、実際に料理している時間と手間暇を考慮したら妥当な金額だと感じると思います。
ちなみにメニューは、日本語表記もあるのでご安心ください。
タイミングにもよりますが、薪で焼いているところを見せてくれます。
モン・サン=ミッシェル内部
<丸型天井の食堂>
木製の丸型天井と59個の小窓が特徴の食堂では、私語厳禁だったみたいです。
食事の会話が楽しいのに・・・・・・・・修道院での生活は大変ですね💦
ここはひんやりしていて、かなり寒かったです。
エレベーターなどはない時代だから、食材運搬にロープを使って上げていたそうです。
<大車輪>
上記で紹介した食材や大きな荷物を運ぶために利用されていた大車輪です。
牢獄として利用されていた時代は、囚人が中に入って大車輪を回していたそうです。
その囚人の数が、約14,000人。
6人で2トンのもの食材や修復用の石材を引き上げていたみたいです。
<ラメルヴェイユ:回廊>
他の建物につながる通路の役目を果たす回廊は、最上階に位置しています。
137本もの柱の連なり、中庭の緑の美しさは「西洋の驚異」と褒め称えられています。
食堂でも私語厳禁だった修道士たちの唯一の散策や会話、瞑想の場でした。
<地下礼拝堂:Underground chapel>
円周5メートルもある太い円柱10本が立っています。
19世紀には修道院で裁きを受ける囚人が判決を待つ場として利用されていました。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
追伸
今回ご紹介した「モン・サン=ミッシェル」はいかがでしたでしょうか?
ファインが参加したツアーは、添乗員もガイドも食事もスケジュールも満足でした。
男性のガイドも良かったですし、女性添乗員も良かったです。
宿にチェックインする前の方も、チェックアウト後の方も荷物の心配はありません。
旅行会社で荷物を預かってくれるので身軽にツアーに参加できます。
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