サワディークラッㇷ゚、旅ブロガーのファインです。
あなたはタイの国技である「ムエタイ(Muay Thai)」を観たことありますか?
ムエタイは、「立ち技世界最強」と謳われています。
両手、両肘、両脚、両膝を使うボクシングに似た格闘技系スポーツです。
ムエタイは、賭けの対象となっているので違和感を覚える人は少なくありません。
タイでは、貧困層のスポーツというイメージが強いです。
ファインが初めてムエタイを観戦したのは、2014年のデモの時期でした。
あの当時は観光客にとってのムエタイは「観戦」するものだったのです。
しかし、現在のムエタイは「体験」するものに変化しつつあります。
ということで、今回は、そんなムエタイについて語ります。
ムエタイの歴史:History of Muay Thai
400年以上もの歴史があるといわれているタイの格闘技です。
日本人のイメージでは1500年以上の歴史がある相撲と同じような感覚でしょうか。
タイの農村に古くから伝わる神への豊作祈願の遊戯が発祥と言われております。
それが次第に王族を守る武術へと発展し、軍の実践格闘技として導入されました。
戦争の絶えない時代に、他国の侵攻に対抗するのがその時代の目的でした。
スポーツとしてのムエタイが始まったのは1921年です。
国王がボクシングのリングを使ってムエタイのトーナメントを開催したのです。
しかし、ムエタイトーナメントの真の目的は戦争の資金を捻出することでした。
戦争終結後、タイの学校でもムエタイの授業が導入されています。
ムエタイの基本的なルール
ムエタイ観戦に訪れても、ルールがわからなければ全く面白くありませんよね?
「ムエタイ観戦」をする前に、基本的なルールだけ覚えていきましょう。
<ムエタイの意味>
タイ=タイランド、ムアイ=1(対1)
ムエタイは、キックやひざ蹴り、肘打ちと、首相撲を技に取り入れている格闘技です。
選手は17歳~40歳くらいで、階級は体重ごとに全19階級に分かれています。
ムエタイの選手は、「モンコン」と「パープラッチアット」を身に着けて入場します。
モンコン = 頭に被っている輪
パープラッチアット = 二の腕にしているミサンガのような紐
※モンコンは、試合前に外します。
<試合は5ラウンド制>
1ラウンド3分で2分間のインターバルがあります。
KO(ノックアウト)、TKO(テクニカルノックアウト)もあります。
1ラウンドと2ラウンドはお互いに相手の力量を見定めることに徹底します。
3ラウンド以降に、首相撲の様な攻防が見られます。
賭ける対象となる選手の調子を見るお客の為の方が意味合いが強いみたいです。
玄人的には、とても高度な技術を使っていると説明をされました。
しかし、KOシーンを期待している観光客には正直眠たくなってきますよ。
ファインが、10試合以上観戦したときは、KO試合は1試合もなく全部判定でした。
後ほど聞いたら、ムエタイは防御テクニックが高いためにほとんどKOがないそうです。
判定となった場合は、手数の多さ(キックの方が点数が高め)で勝敗を決めます。
最近のムエタイはショーアップの要素が強くなっているらしくKOが増えているとか?
ワイ クルー:Wai Kru
ムエタイには、K1のような派手な選手入場はありません。
試合前に、伝統音楽の生演奏で選手が「ワイ クルー」という踊りをします。
この「ワイ クルー」は、毎試合ありこの時に笛や太鼓で流れる音楽が眠気を誘います。
正式には、「ワイクル― ラムムアイ」と呼ぶらしいですね。
ラムムアイとは、特徴的な舞踊様の動きのことを指します。
入場の時に付けている「モンコン」は、このワイ クルーの踊りに使用します。
自己の競争心を高め、戦いの神に無事と勝利を祈る意味が込められているのです。
須藤元気選手みたいな入場なら楽しいのですが、たいくつな踊りが長~く続くのです。
踊る内容は選手ごとにすべて違いますが、観光客にはすべて同じに見えるでしょう。
「ワイ クルー」を見ただけで選手の出身地や所属ジムがわかる人もいるみたいです。
ワイ = 合掌する
クルー = 師
つまり、師に礼を尽くすという意味が込められています。
ちなみに、タイ人のように踊れない外国人選手はリングを一周します。
その時に、3回礼をするのが正式なムエタイの義務とされているのです。
この3階礼をする意味は「父」「母」「師」の3人に礼をする行為を指しています。
判定と階級
肘や膝、ミドルキックなどが高いポイントを取れます。
パンチやローキックは、あまり高いポイントにはならないそうです。
ムエタイの試合を初めて観る観光客には、今どっちが有利か全く判断できません。
現代のムエタイでは、ダウンを取らないパンチはゼロポイントと言われています。
上記で5R制と説明しましたが、選手が頑張るのは3R~4Rです。
1Rと2Rはお互いの様子見ということで、両者ともあまり攻撃しません。
試合中にポイントに差がついた場合、最終ラウンドは頑張りません。
ムエタイが面白くなかったという人は、これが原因のことが多いみたいです。
ムエタイの階級は以下の「19」もの階級があります。
①スーパーヘビー級
②ヘビー級
③クルーザー級
④スーパーライトヘビー級
⑤ライトヘビー級
⑥スーパーミドル級
⑦ミドル級
⑧ジュニアミドル級
⑨ウェルター級
⑩ジュニアウェルター級
⑪ライト級
⑫ジュニアライト級
⑬フェザー級
⑭ジュニアフェザー級
⑮バンタム級
⑯ジュニアバンタム級
⑰フライ級
⑱ジュニアフライ級
⑲ミニフライ級
ムエタイの興行
ムエタイの興行は、チケット収入よりも賭けで成り立っています。
ムエタイでは、実力差がない選手同士の対戦でないと、賭けが成立しないのです。
あまりに強すぎる選手は、賭けが成立しないため試合を組んでもらえません。
選手にも生活が懸かっているので、無理はしません。
翌週も試合が控えている選手は、KOで盛り上がるよりも怪我をしないことを優先します。
つまり素人が観戦しても、面白いと感じないという声が聞こえるのは当然のことなのです。
また、子供が命を懸けて戦っていることにタイ国内でも議論が巻き起こっています。
2013年チャリティーの試合で13歳の子供が命を落としたニュースが日本でも流れました。
賛否両論ありますが、これらの家庭に共通する点は貧困です。
貧困の為に、親から無理やり闘わされている子供も少なくありません。
バンコクの2大ムエタイ会場
①ラチャダムヌーン・スタジアム:Rachadamnoen Stadium
観光客に一番知名度と人気があるのがラチャダムヌーン・スタジアムでしょう。
スタジアム周辺には屋台やムエタイ関連ショップがあります。
収容人数:1万人以上
ファインが訪れた時よりも、現在は賭けをする地元民が減っているみたいです。
注意点としては、ドリンクなどのペットボトルの持ち込みは禁止です。
入場時に鞄の中をチェックされて、水などは没収されてしまします。
<開催日>
毎週月曜・水曜・日曜の18時30分~22:00
木曜の18時~21:30
定休日:火曜、金曜、土曜
<チケットの種類>
窓口で購入できます。
★リングサイド:2,000B(約7,402円)
★クラブクラス:1,800B(約6,662円)
★セカンドクラス:1,500B(約5,551円)
★サードクラス:1,000B(約3,701円)
外国人は、基本的にリングサイド席を購入させられます。
つまり、前後左右の席にはタイ人の姿がないのです。
ファインが購入するときに、窓口では席の種類さえも聞かれませんでした。
ファインが訪れた時は、リングサイドとその後ろのタイ人たちの席の間に金網がありました。
熱気と言うか、雰囲気がリングサイドと全然違いました。
アクセス:Access
<最寄り駅>
BTSラチャテウィー(Ratchathewi)駅
MRTフアランポーン(Hua Lamphong)駅
上記最寄駅からは、やや離れていますのでGrabを利用しましょう。
料金相場:70B(約259円)
会場周辺は渋滞が起きやすいので、30分以上かかる場合もあります。
②ルンピニー・スタジアム:Lumpini Stadium
「ロイヤル・タイ・アーミー・スポーツセンター」の中にあるタイ陸軍系のスタジアムです。
会場内に食堂があり、ショップで「ムエタイグッズ」も売っています。
ドンムアン空港の近くにあり、日本語が話せるスタッフがいます。
チケット売り場周辺に、スタッフが日本語でチケット案内をしてくれます。
その影響からか、日本人にはこちらの会場へ足を運ぶ人が増えています。
<開催日>
火曜と金曜:18:00~23:00
土曜:16:00~19:00 20:00~24:00
定休日:月曜、水曜、木曜、日曜
<チケットの種類>
リングサイド:2,000B(約7,402円)
2階席:1,500B(約5,551円)
3階席:1,000B(約3,701円)
一度入場料を払うと全てのラウンドが鑑賞可能で、途中の入退場も自由です。
アクセス:Access
<最寄り駅>
BTSモーチット(Mochit)駅
所要時間:Grabタクシーで約10分
ムエタイ体験
最近は、観光客の間でムエタイ体験が人気となっています。
しかも体験する客層は男性よりも女性の方が多いみたいです。
ファインは未経験ですが、フィットネス感覚で汗を流す方が多い傾向です。
①マスター・トゥデイ・ムエタイ・アカデミー
タイ国政府教育省と国際ムエタイ協会の認証を受けた権威のあるムエタイジムです。
ムエタイの普及を目的に、観光客へのムエタイ入門コースがあります。
所要時間は、1時間または2時間のマンツーマンコースです。
<営業時間>
平日&土曜:9時〜12時、14時〜21時
日曜:14時〜19時
アクセス:Access
最寄り駅:BTSベーリング(Bearing)駅
Grabタクシーで7分
②ロンポー・ムエタイジム
日本人オーナーが運営しているジムです。
日本人観光客には、ムエタイの1日体験コースが人気のようです。
料金:500B(約1,850円)
<営業時間>
月曜〜土曜:16時〜18時30分
日曜:18時〜20時
アクセス:Access
最寄り駅:MRTクイーンシリキット・ナショナル・コンベンション・センター(Queen Sirikit National Convention Center)駅
徒歩12分
上記で紹介したジム以外にも、ムエタイを体験できるジムは沢山あります。
住み込みで食事つきのジムの門をたたく日本人女性もいるみたいですよ。
室内最大級の「イングラムムエタイジム」も日本人が経営しています。
我々旅行者をターゲットにした「ソーワランピンジム」がカオサン通り近くにあります。
1時間半コースが500B(約1,850円)から受けられるので毎年数百人の受講者がいます。
バンコク以外の都市でもムエタイは楽しめる?
タイ第2の都市「チェンマイ」や「プーケット」「パタヤ」でも楽しむことはできます。
K-1の魔裟斗選手は、多くの日本人に知られていますよね?
その魔裟斗選手とk-1決勝戦で戦ったブアカーオ選手を覚えている人もいるでしょう。
そのブアカーオ選手の経営するムエタイ道場がチェンマイにあるのです。
その名も「ブアカーオビレッジ」です。
ファインも、コロナが落ち着いたらぜひ足を運んでみたい場所の1つです。
「プーケット」や「パタヤ」などまだ未開の地があるので楽しみが残っています。
アクセス:Access
チェンマイ旧市街から車で約1時間
タイ旅行の滞在先で時間があれば一度経験してみてはいかがでしょうか?
ここまで読んでいただきありがとうございました。
追伸
今回ご紹介したタイの国技「ムエタイ」はいかがでしたでしょうか?
ファインが観戦したころは、安い席と高い席との間に安全の為フェンスがありました。
現在は、そのようなフェンスはなくなっています。
試合後に、声をかけると一緒に写真を撮ってくれる選手もいるようです。
旅の思い出に、勇気を出して選手に声をかけてみるのも面白いですね。
しかし、タイのスポーツ人気はムエタイからサッカーに変わっているとのこと・・・。
特に若者は、上記で紹介したロイヤル・タイ・アーミー・スポーツセンターに行きたい旨を伝えると殆どサッカー場へ行くと思われるらしいです。www
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