未完成の世界文化遺産「サグラダ・ファミィリア」と「アントニオ・ガウディ」#55

Spain
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ブエナスタルデス、旅ブロガーのファインです。

あなたは、スペインの観光地と聞いて真っ先に何を思い浮かべましたか?

多くの日本人が、「サグラダ・ファミィリア」ではないでしょうか。

正式な日本語では聖家族贖罪教会せいかぞくしょくざいきょうかいと呼ばれています。

サグラダ・ファミィリアが世界文化遺産に登録されたのは1984年です。

その後、2005年にガウディ―の作品群のひとつとして追加登録されています。

現在のサグラダ・ファミィリアはまだ未完成なのです。

ガウディ没後100周年を記念して、2026年完成に向けて現在も建築が続いています。

 

 

ということで、今回は2026年完成予定の「サグラダ・ファミィリア」について語ります。

 

 

 

サグラダ・ファミィリア:Sagrada Familia

スペインに一度も行ったことがない人も「サグラダ・ファミィリア」はご存じでしょう。

テレビや雑誌でよく取り上げられている「アントニオ・ガウディ」の未完成作品です。

サグラダ・ファミィリアとは「聖家族」を意味しているので、日本語では「聖家族教会」と記載されているガイドブックもありますが同じ教会のことを指しています。

 

ヨセフ(キリストの養父)、マリア(キリストの母)、キリストから成る「聖家族」です。

サグラダ・ファミィリアの根本は、「イエス・キリストの生涯」がテーマになっています。

 

ヨセフをキリストの養父と表現しているのは、理由があります。

それは、マリアがキリストを生んだときは彼女は処女だったからなのです。

キリストを生んだ後に、ヨセフとマリアは結婚しました。

つまり、イエス・キリストの本当の父は「神」であるとされている所以ゆえんです。

 

サグラダファミィリアのステンドグラス

 

日本語の正式名称:聖家族贖罪教会せいかぞくしょくざいきょうかい(Temple Expiatori de la Sagrada Família)

 

冒頭で述べた通り、サグラダ・ファミィリアはまだ完成していません。

長い年月をかけても完成しない教会にはいくつかの理由があるのです。

 

<建設工事に時間がかかる3つの理由>

理由1

ガウディは、「サグラダ・ファミィリア」の設計図を書いていませんでした。

完成図はガウディの頭の中にしかなかったと言われています。

実は、サグラダ・ファミィリアは設計図がない状況で手探り状態で建設しているのです。

その事実を知ったら、これだけ時間がかかるのも仕方がないことだと思いませんか?

一部ではガウディ―の図面や弟子たちの多くの資料はあったらしいのですが、「スペインの内戦」によりほとんど焼失してしまったそうです。

現在はIT技術の進歩により、ガウディのデッサンが復元されつつあります。

 

理由2

あれだけの建築物を完成させるには、多額に費用が掛かります。

つまり、建設工事に時間がかかる理由の2つ目が資金不足なのです。

現在サグラダ・ファミィリアの建設費用は、入場料と善意の寄付によってまかなわれています。

観光客が右肩上がりで増え続けているバルセロナでは、入場料収入が大幅に増え続け資金不足問題は解消されつつありました。

ファインが訪れた時は、没後100周年には完成が間に合うとの予測でした。

しかし2020年コロナの影響により、入場料収入が激減したのです。

その結果、2026年の完成には間に合わないと一部では報道されています。

 

理由3

100人の著名人が、サグラダ・ファミリアの建設反対を訴えたことにあります。

建設理由としては、

「アントニオ・ガウディの本物の設計図もないのに異なるものを作っても仕方がない」

との主張です。

ガウディが最終案を残す前に路面電車にひかれて亡くなったので想像の設計となります。

現在造られているのは、ガウディのデッサンや模型を復元したものを基準としています。

つまり

「ガウディならこう考えるだろう」

との推測されて工事が進んでいるのが現状なのです。

この反対運動の影響により、2020年3月から一時期建設がストップしていたのです。

建設を中断していては2026年には毎合わないと判断したのでしょうか?

2021年1月25日サグラダ・ファミィリアの建設を再開しました。

同年、聖母の祝日に当たる12月8日に、9つ目の塔「聖母マリアの塔」が完成したのです。

高さ138㍍の塔は、現時点でサグラダ・ファミィリアの中で一番高い塔になります。

18の塔が全て完成した場合でも、2番目に高い塔になると伝えられています。

 

アクセス:Access

最寄り駅:地下鉄2号線or5号線「サグラダ・ファミィリア駅」

どれだけ方向音痴でも、駅を降りたら必ず見えるので迷う心配はありませんwww

 

 

<サグラダ・ファミィリアの内部>

アントニオ・ガウディは、森のようにサグラダ・ファミィリアの内部をデザインしました。

以下の写真で、枝や木の葉っぱをイメージしている柱と天井がわかるでしょうか?

 

天井の高さ:45メートル

祭壇上の高さ:60メートル

 

サグラダファミリアの内部

 

 

<入場料:Entrance Fee>

チケットの種類は5種類あります。(以下の入場料は大人一人分の金額です)

①TOP VIEWS

「聖堂」と「タワー」への入場+日本語オーディオガイドのセット

入場料:29€(約3,790円)

どうしてもタワーに登りたかったので、ファインはこのチケットをゲットしました。

 

②GAUDI’S WORK AND LIFE

タワーに登る予定のない人は、このチケットでも十分満足できると思います。

「聖堂」と「ガウディ博物館」への入場+日本語オーディオガイドのセット

入場料:24€(約3,136円)

 

③GUIDED EXPERIENCE

サグラダ・ファミィリアを案内してくれるガイドとともに聖堂内に入場するチケット

ちなみに、ガイドは日本語に対応していません。

入場料:24€(約3,136円)

 

④AUDIOGUIDED VISIT

聖堂への入場と日本語オーディオガイドのセット

入場料:22€(約2,875円)

 

⑤BASIC TICKET

聖堂への入場のみのチケット

入場料:15€(約1,960円)

 

※ファインは予約していきましたが、当日チケットも販売しています。

当日券は、かなりの行列に並ぶことになるので事前に買っておいた方がベターです。

事前購入はクレジットカードで支払いました。

 

ネット情報では「JCB」が使えるという情報と使えないという両方の情報があります。

ファインの時は「JCB」が使えなかったので、「VISA」で購入しました。

Sagrada Familia, gestión integral de venta de entradas

 

 

<営業時間:Opening hours>

4月〜9月:9:00〜20:00

10月、3月:9:00〜19:00

11月〜2月:9:00〜18:00

12月25日、12月26日、1月1日、1月6日: 9:00〜14:00

 

 

<生誕のファザード:Passion Facade>

ファインのように事前にチケットを購入した方の予約者専用の入り口です。

「生誕のファザード」は、福岡出身の外尾悦郎そとお えつろうが手がけました。

日本人がこのビッグプロジェクトに参加していると考えると誇らしく感じませんか?

この門にはイエスの幼少期が描かれ、柱は「海ガメ」と「陸ガメ」が施されています。

 

塔へはエレベーターで昇ることが出来ますが、下りは階段となっています。

「アンモナイト」をイメージして作られた螺旋らせん階段を利用します。

階段は非常に狭いですが、途中の小窓から工事中の様子も見ることができます。

「サグラダ・ファミィリア」からバルセロナの街並みを一望できるのでオススメです。

 

サグラダ・ファミィリアから見た景色

 

 

<受難のファザード:Nativity Facade>

ここは、当日券を購入する観光客の入り口として利用されています。

塔には、エレベーターで上り降りできます。

受難のファザードには「ユダの接吻」の彫刻があり、キリストの足元に数字が刻まれています。

 

この数字は、縦、横、斜め、どの組み合わせでも数字を足すと「33」になります。

現在も解明されていない「33」という数字にこだわった理由には諸説あります。

ただ「33」はキリストが亡くなった年齢という説が最も有力です。

 

受難のファザード

 

<栄光のファザード:Facade of Glory>

サグラダ・ファミィリアのメインファザードになります。

聖堂の正面入り口は建設中で、完成後は一番豪華なファザードになる予定です。

扉の文字は50ヶ国語の言語があり、日本語では「われらの父」と書かれています。

 

<地下礼拝堂:Underground chapel>

主祭壇の地下に「ガウディのお墓」があります。

聖堂内部は2010年に完成し、ローマ教皇を招きました。

その時、ミサが行われ初めて正式な「教会」として認められたのです。

ファイン的にはそれまで正式な教会として認められていなかったことに驚きました。

地下礼拝堂には、完成の模型があります。

 

ちなみに、サグラダ・ファミィリアの建物すべてが世界文化遺産と思っている人が多いですが、世界文化遺産に登録されているのは「生誕のファサード」「地下礼拝堂」のみです。

 

 

 

カサ・バトリョ:Casa Batlló

こちらもアントニオ・ガウディが手掛けたの作品の1つで、世界文化遺産に登録されています。

公式のオンラインチケット予約ページからチケットを事前購入することができます。

 

 

カサ・バトリョに並ぶ観光客 

 

<チケットは3種類>

①ブルー:25€(約3,267円)

②シルバー:33€(約4,312円)

③ゴールド:35€(約4,574円)

 

上記入場料について補足すると入場の優先度の違いだけです。

混んではいましたが、「カサ・ミラ」「グエル公園」よりは若干空いていました。

正面のファサードは、素材にモンジュイックの丘の岩を利用しています。

 

カサ・バトリョの正面

 

確かに奇抜なデザインであることには間違いないです。

しかし、「カサ・ミラ」や「グエル公園」、ましてや「サグラダ・ファミィリア」を観た後では少々インパクトに欠けると思います。

 

グラシア通りにあるので、ぷらぷら散歩していたら見つかります。

「カサ・ミラ」からなら徒歩5分ほどの場所に位置しています。

 

アクセス:Access

最寄り駅:地下鉄パセジ・ダ・グラシア駅(Passeig de Gràcia)徒歩1分

ファインはサグラダ・ファミィリア見学後に1.8㎞歩いて訪れました。

 

 

ここまで読んでいただきありがとうございました。

 

追伸

今回ご紹介した「サグラダ・ファミィリア」はいかがでしたでしょうか?

2021年5月、施設責任者のザビエル・マルティネス氏が報道陣に語りました。

「2026年の完成を見込んでいたが、残念ながら不可能だろう」

完成後にも再訪したいと思っていたので、このニュースは少し残念でした。

 

サグラダ・ファミリアを設計したのがアントニオ・ガウディだけだと思い込んでいる人が世界中に溢れていますが、彼は2代目の設計家という事はご存じでしょうか?

初代建築家フランシスコ・ビリャールが無償で設計を引き受けていたのですが、意見の対立により翌年にはサグラダ・ファミリアの設計から身を引いています。

世界を旅してサグラダ・ファミリア以上の教会をファインはまだ目にしたことありません。

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管理人

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<自己紹介>
飛行機が飛ばない状況でも、未知の国へ行く意欲がまったく衰えない旅ブロガーです。ひとり旅を好むが寂しがり屋という矛盾した性格をしています。都内の大学卒業後、旅行会社へ就職。転職後も旅行関連の資格を取得し観光業界へ従事。添乗員を目指している方、国家資格取得を目標にしている方の参考になるネタを投稿していく予定です。海外旅行では、失敗だらけだけど無事に帰国できればokという考えで旅を続けています。同じ旅好き、もしくは観光業界への就職を目指している方々の役に立ちたいという思いでブログをはじめました。旅行に関する情報をシェアしあなたと一緒に成長できれば嬉しく思います♪

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