ブエナスタルデス、旅ブロガーのファインです。
あなたは、「世界複合遺産」をご存じでしょうか?
世界複合遺産とは、文化遺産と自然遺産の両方の価値を兼ね備えている世界遺産です。
その世界複合遺産に登録されているマチュピチュには、毎年150万人が訪れています。
そのマチュピチュ遺跡は将来的に、閉鎖されるという噂を聞いたことがあるでしょうか?
マチュピチュ遺跡は、いつまでも観光客を受け入れてくれる保証はないのが現状です。
ということで、今回は、マチュピチュ遺跡の危機的現状について語ります。
マチュピチュ遺跡閉鎖危機
マチュピチュ遺跡閉鎖危機の原因に関しては、自然災害と人的災害の2つがあります。
①自然災害:Natural Disasters
2010年マチュピチュ周辺で、集中豪雨による洪水が起こりました。
土砂崩れが起き道路と鉄道が寸断され、多数の観光客が取り残されてしまったのです。
その時ペルー政府は軍のヘリコプター12機を動員し、救出作業を進めました。
アメリカ合衆国もヘリ6機を出して観光客の救出に協力しました。
この頃から、マチュピチュの安全性について疑問を唱える声が強くなっていったのです。
2008年夏には、マチュピチュ遺跡周辺で森林火災が起きています。
この時のマチュピチュ遺跡は、森林火災の被害をギリギリのところで免れました。
しかし、クスコとマチュピチュ間の2つの遺跡は森林火災の被害に見舞われたのです。
・Wayna Q’ente
・Trontoy
森林火災・イメージ
この森林火災は、マチュピチュへ向かうペルーレイルにも迫ったと言われております。
「集中豪雨」や「森林火災」は温暖化の影響と唱える専門家も多くいます。
クスコからマチュピチュへ移動中に、ファイン自身も土石崩れを目撃しました。
ペルーレイルが走っている線路も土砂崩れが起きたら危険な状況になります。
道路や鉄道が閉鎖されてもおかしくない状態で毎日多くの人々を輸送し続けているのです。
安全性の問題から、マチュピチュの交通はいつ遮断されてもおかしくない状況なのです。
<自然災害への対応策>
2020年マチュピチュ遺跡を豪雨災害や森林火災から守るための対応策として、マルティ
ン・ビスカラ大統領は歴史保護区に100万本の植樹を行うプロジェクトを立ち上げました。
この植樹された木々が育てば、豪雨災害や森林火災に対応できると言われております。
その為、木々が育つ数十年間はマチュピチュ遺跡を閉鎖する案が浮上しているのです。
②人的災害:Human Disasters
マチュピチュを訪れる観光客の悪質なマナーによる人的被害が昨今問題となっております。
以下は問題となった人的災害の一部です。
①貴重な遺跡に排泄をする行為
②禁止されている遺跡の上に登る行為
③ヌード写真撮影
④遺跡の破壊や落書き
⑤走ったり、ジャンプしたり、はじけすぎた行為
上記行動により、転倒、転落、落下をして、怪我人が多数出ています。
酷いときには、怪我ではなく死人が出たこともありました。
現在は悪質な観光客のマナー違反が原因での、マチュピチュ遺跡の劣化を防ぐ目的で
入場制限や監視員による退場命令などが義務付けられています。
マチュピチュ遺跡の監視員
ファインが、マチュピチュ遺跡で、実際に目にしたのは中国人によるジャンプです。
写真撮影のためマチュピチュ遺跡でジャンプする中国人を何度も目にしました。
係員が笛を吹いて注意しても、また他の場所で中国人がジャンプし撮影しています。
いくら係員が頑張って注意しても、一人や二人ではないので焼け石に水です。
上記写真は、中国人観光客がポイ捨てしたごみを拾っている時の係員の写真です。
このようなマナー違反が多い中国人に対する怒りの矛先が、我々日本人にも向けられ
るのです。(日本人と中国人と韓国人は、外国人からみたら顔が皆同じに見えるらしいのです)
我々日本人は、会話が聞こえただけで中国人か韓国人か判断できますよね?
でも、ペルー人には同じ顔をしているアジア人としか映らないのです。
<新たな規制>
2018年12月からペットボトルやビニール袋が遺跡への持ち込みが禁止になりました。
勿論、遺跡内にペットボトルやスナック菓子などのゴミを捨てていく観光客が原因です。
これからは、飲み物は水筒に入れなければ入場できませんので、ご注意ください。
水分補給がなければ、天候によりマチュピチュ遺跡観光もかなりハードになりますから。
ちなみに、2017年に導入されたガイド同伴による入場は2019年に廃止されています。
現在は、ガイド同伴でなくてもマチュピチュ遺跡に入場できるようになりました。
<マチュピチュ遺跡で逮捕者>
2020年は20~32歳の女2人、男4人の逮捕者も出ているほどマナーは悪質化しています。
国籍は、フランス人、ブラジル人、アルゼンチン人、チリ人、そしてペルー人です。
主な逮捕理由は、以下の3つです。
①立ち入り禁止エリアの「太陽の神殿」に侵入し、排せつをした者
②石を動かそうとして、床に亀裂を入れてしまった者
③遺跡の上に登ってしまった者
ペルー国内では、遺跡損壊罪は4年以上の禁固刑が科されます。
世界複合遺産・マチュピチュ遺跡の主な見どころ
①太陽の神殿:Temple of the Sun
太陽の神殿は、曲線を石組みで表す高い技術を用いて造られています。
窓が二つあり、東の窓は冬至の朝、南の窓は夏至の朝に太陽が差し込みます。
そのため、太陽暦に関する建築物だったのではないかとも考えられています。
マチュピチュ遺跡と観光客
ちなみに、クスコにあった太陽の神殿は「コリカンチャ」、
マチュピチュの太陽の神殿は「大塔」です。
太陽の神殿
②コンドルの神殿:Tenmple of the Condor
マチュピチュ遺跡の段々畑の手前にあります。
コンドルの神殿は、地面にコンドルの頭を彫った石があるだけです。
その頭の後ろにある二つの石を合わせてみると、羽を広げたコンドルの姿に見えます。
諸説ありますが、牢獄であったとの説がもっとも有力らしいです。
コンドルの神殿
地上と天界を結ぶ神聖な場所で、コンドルがその役目を担っていたとも言われています。
③インティワタナ:Intihuatana Stone
インティワタナは「太陽を縛るもの」という意味です。
一枚岩でできた彫刻で、マチュピチュ遺跡の主要なシンボルとなっています。
こちらも諸説ありますが、インティワタナは時節を知るための日時計がもっとも有力です。
マチュピチュ遺跡の主要な上記3ヶ所が2019年に2週間の入場制限が実施されました。
観光客の悪質なマナーにより遺跡の劣化が進めば、今後は観れなくなる可能性もあるでしょう。
ワイナピチュ山:Huaina Pichu
ワイナピチュ山は、「若い峰」を意味する標高2,693mの山です。
マチュピチュ遺跡のバックに堂々と写っている高くそびえたつ山がワイナピチュ山です。
なので、名前は知らなくても写真などで一度は見たことある人は多いと思います。
以下の写真中央、一番高い緑の山です。
ワイナピチュ山に見とれるファイン
<ワイナピチュ山の入場制限>
ワイナピチュ山に入山できるのは1日400人のみと制限されています。
朝7:00~8:00まで:200人
朝10:00~11:00まで:200人
この人数制限の影響でしょうか?
マチュピチュ遺跡のチケットとは別途必要なチケットは、かなり人気があるのです。
ファインは、マチュピチュ遺跡チケットを2ヶ月前にインターネットで購入しました。
その時には、「ワイナピチュ山」のチケットはすでに売り切れていたのです。
つまり、日程によっては2ヶ月前のチケット購入では間に合わないということになります。
マチュピチュ遺跡の段々畑(アンデネス)
ファインは、残念ながらワイナピチュ山への登山を諦めました。
しかし、以下の方法でペルー入りしてからワイナピチュ登山に成功した人もいます。
★クスコの文化庁で購入する
観光庁はクスコの中心街から離れています、日程に余裕がある人向け。
★旅行会社を通して購入する
多少高くなるかもしれませんが、どうしても確実に登りたい人向けです。
★マチュピチュ村(アグアスカリエンテス村)の文化庁で購入する
この方法は現地で10日以上待つ可能性がある為、時間があれば可能です。
ワイナピチュ登山の所要時間:一般男性60分、一般女性90分
マチュピチュ遺跡からの距離:300m
但し、距離だけで判断するのは危険です。
登山道は一人しか通れないような細い道で、決して楽な登山ではないみたいですよ。
入場口で、名前・年齢・性別・国籍・パスポート番号、入山時刻、下山時刻、を記帳。
毎年足を滑らせて落下死亡事故が発生しているので、身元確認のために必要らしいです。
市街地入口
ここまで読んでいただきありがとうございました。
追伸
今回ご紹介した2つの閉鎖危機の原因とワイナピチュ山は、いかがでしたでしょうか?
この記事は楽しい内容ではなかったかもしれませんが、マチュピチュ遺跡が置かれている現実を知ることは重要だと思い記事にしました。
コロナの影響以外でも、マチュピチュ遺跡はいつ閉鎖してもおかしくありません。
「自然災害」と「人的災害」は、我々観光客も考えなければならない問題でしょう。
またマチュピチュ遺跡が一度閉鎖になれば、いつ再開するかわかりません。
もしマチュピチュに行きたいと考えているなら、急いだほうがいいかもしれません。
ワイナピチュ山に挑戦するならば、体力のある若い時に登ることをオススメします♪
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