ナマステ、旅ブロガーのファインです。
あなたは、「チャンド・バオリの階段井戸」って聞いたことがありますか?
アブハネリ村という日本人には馴染みのない村にある芸術的な井戸のことです。
インドで最も深く大きな階段井戸の一つであり、初めて見ると圧倒されるでしょう。
日本人より外国人に人気が高い井戸は、ジャイプールから80km郊外にあります。
その階段井戸の隣に1986年に登録された世界文化遺産があるのです。
それが、「ファテープル・シークリー」です。
王子誕生を記念して遷都しましたが、わずか14年で廃墟となってしまいました。
ということで、今回はジャイプール郊外にある「チャンド・バオリの階段井戸」と「世界文化遺産・ファテープル・シークリー」について語ります。
チャンド・バオリの階段井戸:Chand Baoli
<幾何学的な階段井戸:Geometric stairwell>
インドで最大級の規模のとても美しい階段井戸です。
正方形の井戸の4面の内三面に階段があります。
段数:3,500段
深さ:約30m
階層:13階層
約35m四方の正方形
入場料:無料
2014年「ラーニ・キ・ヴァヴ(女王の階段井戸)」が世界文化遺産に登録されました。
ラーニ・キ・ヴァヴ(女王の階段井戸)は、インド西部に位置しています。
この世界遺産の影響で将来「階段井戸」人気が高まれば必然的に有料になるとの噂がインド国内でありました。
ちなみに、日本語では井戸と訳されますが、宗教的に神殿の意味合いの方が強いです。
インドと言えば、多くの日本人が「タージ・マハル」を思い浮かべるでしょう。
しかし、タージ・マハルよりも魅力があると感じたのは私だけではないはず・・・。
これが、約1200年前に造られたことに驚きを隠せません。
<インスタ映えとカオスのコラボレーション>
アーグラで得た情報では、写真が綺麗に撮れるのは午前中だと教えてもらいました。
回廊に取り囲まれた内部は、逆四角錘状に深く掘り込まれています。
レリーフなどは、顔などがイスラムの方々によって、破壊されたそうです。
現在は柵があるので、観光客が最下段まで階段を降りることはできません。
理由は、井戸への転落事故が相次いだとのことです。
井戸の底は地表より5℃程度気温が低く、天然のクーラー的な役割があります。
暑いインドでは、当時から涼を求めて降りる人がたくさんいたらしい。
この写真で、人間が写っているのがわかるでしょうか?
簡素な建物を通ると、人間が豆粒のように小さく見える井戸が目に飛び込んできます。
1,200年前にこのような芸術的な井戸が存在していたことに驚きます。
井戸と言うよりも宮殿のように見えませんか。
それもそのはず、この井戸には 「ドゥルガー」と「 ガネーシャ」を祀っているのです。
ドゥルガー:ヒンドゥー教の女神で、「近づき難い者」の意味
ガネーシャ:富の神様として人気があり、「群衆の主」の意味
また、ガイドさん曰く、インドでは貴重な水を税金として徴収するとのこと💦
チャンド・バオリは、雨量を計測し水税の徴収の計算のために利用されたらしいす。
アクセス:Access
階段井戸のある「チャンド・バオリ」は、アブハナリ村にあります。
アクセスが非常に悪いので旅行会社が催行するツアーで行くのが一般的です。
ツアーで行くとラクダに乗って村内を回るアクティビティなどが楽しめますよ。
アブハネリ村=「明るい町」の意
「チャンド・バオリ」は、地理的にジャイプールとアーグラの間に位置します。
日本人には、タージ・マハル等の観光地がセットになった1泊2日プランが人気です。
ゴールデントライアングルに組み込まれているプランもありますが日数を要します。
たくさんの旅行会社がありますので、ぼったくりに合わないように注意して下さい。
ゴールデントライアングル:北インドの主要観光地を周遊する人気の定番ツアー
ツアーに参加しないバックパッカーは、タクシーをチャーターするのが一般的です。
しかし、ファインには、インドでのタクシーチャーター利用に抵抗がありました。
地理的にもジャイプールとアグラを移動するついでに見学できるだろうと判断しましたが、この判断が、ちょっと失敗でした。
中々、想像以上にアブハナリ村へのアクセスが面倒でしたから。
~ジャイプールからの行き方~
<ローカルバス>
移動手段最安値で、時間と体力のあるバックパッカーならこの選択肢しかないでしょう。
「シンディーキャンプバスステーション」
最寄り駅:地下鉄のシンディーキャンプメトロステーション
シンディーバスステーションからアグラ方面のローカルバスに乗車します。
降車場所:シカンドラ Sikandra(有料道路の2つの料金所を通過してすぐの所です)
距離:約81km
運賃:男性90Rs (約151円)
※日本人は驚きますが性別により運賃が異なります。(女性は男性よりも少し安い)
所要時間:2時間(トイレ休憩なし)
<要注意>
降車場所の「シカンドラ」は到着地ではありません。
シカンドラからアブハナリ村までは、オートリクシャーを利用することになります。
ローカルバスもありますが、バス停からチャンド・バオリ迄の距離は約4kmです。
現実的に徒歩は厳しく、オートリキシャ―を利用しないならば、チャンド・バオリまでの移動方法は「バイクタクシー」か「ヒッチハイク」という選択になります。
個人的には、バス降車場所のシカンドラからオートリクシャーで移動する方が楽でした。
オートリクシャー相場運賃:往復200Rs(約335円)~300Rs(約503円)
※こだわりがなければ、ツアーに参加するほうが楽かもしれません。
ハルシャット・マタ寺院: Harshad Mata Temple
ハルシャット・マタ寺院は、チャンド・バオリの隣にあるヒンドゥー教寺院です。
古い歴史を感じさせる階段を登ると高台にドーム屋根の寺院あります。
敷地内に山羊を見かけたのですが、寺院で飼っているのでしょうか?
祠へ入る時に裸足になってから入場します。
インド人は裸足に慣れているかもしれませんが、日本人には地面が熱くて厳しいかも💦
芝生には大きな木があるので、木陰で休んでいる人もチラホラみかけます。
ヒンドゥー教の幸福と喜びの女神:ハルシャット・マタ
入場料:無料
チャンド・バオリの階段井戸はハルシャット・マタに捧げるものとして建設されました。
ハルシャット・マタ寺院は、ヒンドゥ教の巡礼地として多くの巡礼者が訪れます。
以前は、チャンド・バオリで沐浴をしてから寺院で祈りを捧げていたようです。
ちなみに、ここでは日本人を一人も見かけませんでした。
チャンド・バオリを観た後だと迫力に欠けるので穴場的観光地のようですね。
外観からも、廃れているのを感じる程ですから見学しない人もいるのでしょう。
彫刻の多くは、博物館へ移されているのでここでは見ることが出来ません。
アクセス:Access
チャンド・バオリから約160m
徒歩1分~2分
ファテープル・シークリー:Fatehpur Sikri
「ファテープル・シークリー」は、慢性的な水不足の影響により1571年から1585年の僅か14年間しか存在できなかった文化的融合をしている短命の都です。
文化的融合とは、イスラム教とヒンドゥー教の異教徒建築が混在していることをさします。
ファテープル・シークリーの敷地内は、宮廷地区とモスク地区に分かれています。
ムガル帝国の第3代皇帝アクバルによって建設されました。
子宝に恵まれなかったアクバルに、シークリーに住む聖者シェーク・サリーム・チシュティーから「5年以内に3人の男児を授かる」と予言されました。
翌年に長男、翌々年に次男、更に三男を身ごもり予言が的中した記念に遷都しました。
1986年、世界文化遺産に登録されています。
「ファテープル・シークリー」とは、勝利の都シークリーという意味です。
別名:忘れ去られた都
勝利の都と命名されたのは、グジャラート地方での戦いに勝利したことに由来しています。
赤砂岩で建設されているので、ジャイプールで観た建築物と大差はありません。
ファインが訪れた時は、所々が改装中でした。
赤いレンガなどが剝がされているのも見かけたので、今後綺麗になるのでしょうか?
個人的には、あまり綺麗に修復せず、できれば現状のまま保存して欲しい所ですね。
手を加えすぎると、中々歴史的雰囲気が消滅すると思うのはファインだけでしょうか?
~宮廷地区~
隊商宿舎のキャラバンサライなどがあるのも宮廷地区です。
<パンチ・マハル>
宮殿地区で一番の見どころで、四方を見渡せる壁がない列柱と床だけの高楼です。
5階建ての建物で、それぞれ様式が異なるみたいです。
パンチ・マハルは、石掘り透かし壁が付いた侍女たちの館として使われていました。
同じ柱がない5層の楼閣で、頂部のドーム屋根のチャトリが特徴的です。
1階の列柱が84本あり、上階に行くほど本数が少なくなっています。
足元にはパチシ・コートと呼ばれる庭が広がっています。
この庭で、人を駒にしてチェスを楽しんでいたそうです。
宮殿地区で一番のインスタ映えスポットと言っても過言ではありません。
<ティワーニ・アーム:Diwan-i-Am>
表玄関から「ナウバット・ハーナ」をくぐると、正面には広い庭が目に飛び込んできます。
広大な庭園と池の間には、アクバル帝の寝室「ハーブガー」があります。
現在は屋根と柱しかないのですが、芸術性がない私でも目を引きましたねwww
暑さをしのぐ目的なのでしょうか、床に水を溜めてその上にベットがあったそうです。
<ディーワーネ・ハース:Diwan-i-Khas>
上記写真の「ディーワーネ・ハース」は、皇帝の私的な謁見のための建物です。
1570年に建てられたディワーニ・ハースの吹き抜けの間の真ん中に7mの巨大な石柱が一本あり、その先端には独楽型の玉座がのっています。
この石柱と一緒に写真を撮る観光客が多く、順番待ちがありました💦
その玉座から部屋の四隅に梁状の橋が水平に渡されているのが見どころです。
2階の吹き抜けに対角上のブリッジを掛け渡し、1階で賢人知者の議論を見ていたようです。
<ジョーダー・バーイー殿>
ムガル帝国の第3代皇帝アクバルの宮殿です。
アクバルの妻の名前がつけられ、ペルシア式の中庭建築とインド建築の要素を兼ね備えています。
~モスク地区~
<ジャーマー・マスジド:金曜モスクJama Masjid>
礼拝室はインドらしく全て高価な赤砂岩で作られています。
赤砂岩の大門ブランド・ダルワーザーは、大きなアーチ型に目を奪われます。
<ブランド・ダルワーザー:Buland Darwaza>
ブランド・ダルワーザーは、1573年グジャラート地方の征服を完了させたことを記念した凱旋門的要素がある門で、丘の上にある大階段の上に建築されています。
建物の高さ:41メートル
<サリーム・チシュティーの霊廟>
白大理石の華麗な廊には子宝祈願の女性が詣でる巡礼地となっています。
祈願方法は、赤く細いひもを結ぶようです。
他の建物は赤砂岩で建設されているので、一際白の大理石が目立ちます。
<イスラーム・ハーン廟>
大勢のスーフィーの墓を納める廟です。
14年しか利用されなかった影響か、インド各地の城とは異なり闘いの跡がありません。
破壊の跡がないので、建造物群がとても綺麗な形で残っていました。
入場料:宮廷地区無料 / モスク地区510Rs(約855円)
アクセス:Access
アーグラからの距離:約36㎞
ジャイプールからの距離:約205㎞
丘のふもとには駐車場があります。
その駐車場から、ボロボロの電気自動車で送迎サービスがありした。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
追伸
今回ご紹介した「チャンド・バオリの階段井戸」と「世界文化遺産・ファテープル・シークリー」はいかがでしたでしょうか?
「ファテープル・シークリー」が14年しか存在しなかった理由の一つが「水不足」です。
「チャンド・バオリの階段井戸」が近くにあることにきちんと意味があったのですね。
「チャンド・バオリの階段井戸」も「ファテープル・シークリー」も芸術性を感じます。
旅行会社が催行するツアーで行っても、個人で行っても、印象に残ると思いますよ。
比較的地味な世界遺産と言われていますが、中々悪くない観光地でした。
北インドへ訪れた際には、観光候補地の一つに加えてみてはいかがでしょうか?
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