ブエナス タルデス、旅ブロガーの「ファイン」です。
あなたは、カトリック教会に纏わる3つの奇跡のお話をご存じでしょうか?
メキシコは、ブラジルに次いで世界で2番目にカトリック信者が多い国です。
メキシコ人の約84%がカトリック信者と言われています。
そのカトリックには代々受け継がれてきた3大奇跡と呼ばれるお話があるのです。
その3大奇跡の一つに数えられるのが「グアダルーペ寺院」です。
メキシコで最も重要な巡礼地で、世界で最も訪問者の多い崇拝の地と呼ばれています。
ということで、今回はメキシコの「グアダルーぺ寺院」について語ります。
プロテスタントとカトリックと正教会
宗教に関心が薄い日本人でも、キリスト教を知らない人はいないのではないでしょうか?
ただそんなキリスト教には、たくさんの宗派があることを知らない方は多いかもしれません。
世界中にたくさんある宗派の中で、以下の3つの宗派が全体の80%以上を占めています。
①カトリック:51%
②プロテスタント:23%
③正教会:12%
日本の結婚式などで使われている教会は、ほとんどがプロテスタントです。
プロテスタントを直訳すると「抗議者」と訳されます。
これは、カトリック教会に対する抗議の形から始まった宗派だからです。
プロテスタントの大きな特徴として、聖母マリアや聖人に対しての信仰がないことが挙げられます。
イエスが磔にさている教会は、間違いなくカトリックでしょう。
ちなみに、十字架だけならプロテスタントであることが多いようです。
3番目の「正教会」は、世界最古のキリスト教宗派と言われています。
ちなみに、カトリックは正教会の宗派の1つだったことを知らいない人は多いです。
3つの宗派は、『聖書』の教えを伝えているキリスト教を信仰している点では同じです。
今回紹介する「グアダルーペ寺院」は、カトリックに属しています。
カトリックの総本山は、バチカン市国でローマ教皇をトップとした宗派です。
イエス・キリストと聖霊といった存在を認めて、創造主である神と「三位一体」といった教えを基本にしているのがカトリックの教えとされています。
カトリックでは、ローマ教皇をトップとしたピラミッド型の組織となっています。
教会の管理は神父(司祭)が行い、カトリック聖職者には婚姻は認められていません。
グアダルーペ寺院:Basilica De Guadalupe
グアダルーペ寺院は、宗教や宗派に関係なく誰でも訪れることが出来ます。
但し、グアダルーペ寺院を訪れる際には以下のマナーを遵守しなければなりません。
①露出の高い服装を控えること
②グアダルーペ寺院内では、帽子の着用は禁止
③祈りをしている信者の方の邪魔はしない・騒がない
La Villa Basílica駅周辺は、キリスト関連グッズを販売している店がたくさんあります。
また、飲食の露店もあるので、見学前に腹ごしらえすることも可能です。
ファインは昼間に訪れましたが、この周辺の夜間は治安が悪くなると言われています。
グアダルーペ寺院は、旧聖堂と新聖堂、礼拝堂や広場、噴水などが見どころです。
敷地が広いので、見学時間は2時間以上は必要かもしれません。
トランジットで訪れた場合、「奇跡のマント」だけは見逃さないようにしたいものです。
アクセス:Access
最寄り駅:メトロ6号線「La Villa Basílica駅」
所要時間:徒歩6~7分
開館時間:6時~21時(土・日曜11時~15時)
ヨハネ・パウロ2世:John Paul II
地盤沈下により傾いている旧聖堂前にある銅像は、教皇ヨハネ・パウロ2世像です。
ポーランド出身で、第264代のローマ教皇です。
20世紀中最年少で着座した教皇で、列聖されています。
列聖 = 信仰の模範となるにふさわしい信者を聖人の地位にあげることを指します。
12月12日の「聖母の日の祭り」には多くの信者が世界各地から訪れます。
その日は、アステカ時代の衣装だったり派手なメイクの方々がたくさん踊っているそうです!
お祭りやパレード、特別ミサが行われ、花火まで上がるカトリックの大イベントです。
ヨハネ・パウロ2世像
カトリック教会公認の三大奇跡
カトリック教会には、聖母マリアが出現したと言われる公認の三大奇跡があります。
①グアダルーペ(メキシコ)・・1531年12月9日に聖母マリア出現
②ルルド(フランス)・・・・・1858年2月11日に聖母マリア出現
③ファーティマ(ポルトガル)・1917年5月13日に聖母マリア出現
①グアダルーペの奇跡のマント
1531年12月メキシコのグアダルーペにファン・ディエゴ氏の前に聖母が現れました。
聖母は、司教に大聖堂を建設する願いを伝えるようにディエゴに求めたのです。
その時ディエゴは、病気の叔父の助けを求めに行く途中でした。
聖母の話を振り切ろうとしたディエゴに、聖母は
「叔父の病気は治りました」
と告げたのです。
ディエゴが戻った時、病気だった叔父は本当に病気から回復していました。
ディエゴは、これらの出来事を司教に伝えましたが信じてもらえません。
すると同じ日に2度目の聖母出現しました。
司教は、
「12月11日、本当に聖母である証明に、何かしらの奇跡を起こすよう頼みなさい」
とファン・ディエゴに指示しました。
フアン・ディエゴは3回目の出現をした聖母に司教の指示を伝えました。
翌日、聖母が4度目の出現した時
「今からあの丘に咲いている花を摘みなさい」
と話しました。
丘に登ると季節外れのバラが、テペヤックの丘にたくさん咲いていたのです。
ディエゴは、司教の元へその季節外れに咲いているバラの花を持っていきました。
フアン・ディエゴは、マントでバラを包み、司教のもとを訪れました。
司祭の目の前でマントを開くと、そこには聖母の姿が写し出されていたのです。
その奇跡を見た司教は、ここに大聖堂を建てたのです。
1709年に「テペヤックの丘」から現在の位置に聖堂が移されました。
この話に出てくるマントがここ「グアダルーペ寺院」にある奇跡のマントなのです。
ちなみに、フアン・ディエゴは2002年に列聖されています。
②ルルドの聖母
14歳の少女ベルナデッタ・スビルーを証人とする聖母出現の話です。
ある日、ベルナデッタがマッサビエルの洞窟のそばで薪拾いをしていました。
その時、初めて聖母マリアが出現したと伝えられています。
ベルナデッタは、自分の前に現れた若い婦人を聖母とは思っていませんでした。
彼女が「若い婦人」が「ここに聖堂を建てるよう望んでいる」と神父に伝えました。
信用していない神父は、その女性の名前を聞いて来るようにベルナデッタに命じたのです。
名前を尋ねるベルナデッタに、若い婦人は「無原罪の御宿りである」
とルルドの方言で告げたのです。
「ケ・ソイ・エラ・インマクラダ・クンセプシウ」 という言葉であったと伝えられています。
ラテン語もフランスの読み書きもできない少女が、ルルドの方言で伝えたことで、
神父も周囲の人々もベルナデッタのいう事を信じて聖母像が建てられました。
またある日、聖母はベルナデットに「泉に行って水を飲んで顔を洗いなさい」と言いました。
聖母が指差したところは泉ではなくただの泥水だったのです。
しかし、この泥水が、次第に清水になって飲めるように変化しました。
これがルルドの泉の始まりでです。
これまで2,500件が「説明不可能な治癒」とされています。
ルルドの泉で、奇跡と公式に認定される症例は大変少数(68件)です。
個人的には、68件も奇跡が起きたら充分多いと思うのですが・・・・・・💦
フランスのルルド
ちなみに、ベルナデッタは18回も聖母に出会いました。
彼女自身は聖母の出現について積極的に語りたがらなかったそうです。
その後、彼女はシスターとなり外界から遮断された静かな一生を送りました。
ベルナデッタは、肺結核により35歳の若さで没し、1933年に列聖されました。
③ファティマの聖母
ファティマに住む3人の子供の前に聖母マリアが現れて、3つのメッセージを伝えました。
- 死後の地獄の実在
- 大戦争の終焉と勃発
- 秘密
<ファティマ第三の秘密>
教皇庁は聖母が発表を命じた1960年になっても啓示の第三部について公表しませんでした。
その後、歴代の教皇がファティマ第三の秘密を封印してきましたが、
「ファティマ第三の秘密」は、2000年6月に正式発表されました。
<聖母からの奇跡>
1917年のある日、集まった約七万人の群衆は雨に濡れていました。
だが、太陽が急降下や回転を繰り返し猛烈な熱で彼らの服を乾かしてしまったのです。
その日に、世界各国の天文台でこうした太陽の異常行動は確認されておりません。
つまり群衆全員が同じ幻覚を見たことになります。
このことは、ポルトガルのあらゆる新聞に大々的に掲載されました。
奇跡のマント
上記の話で出てきた「奇跡のマント」は、このドーム型の新聖堂の中に大きな額縁に入れられて、緑のマントを肩から掛けているマリア様の絵が高い所に飾ってあります。
ちなみに、「マリア様を描くのに使用されている絵の具は、地球上に存在しない成分で出来ていると分析された」という話をガイドさんがしていました。
奇跡のマントがある新聖堂
額縁が飾られている下を見る人が立ち止まらないよう、動く歩道が設置されています。
約10メートルの動く歩道が三列ありました。
ちなみに旧聖堂が地盤沈下で傾いてきたため、新聖堂が建てられたのです。
聖母が現れたところから、泉が湧き出し奇跡的治療も発生したと伝えられています。
グアダルーペ寺院の旧聖堂
グァダルーペの聖母画について、その神秘性が主張されています。
①20年位でぼろぼろになるばずのマントが400年以上経っても健在な点
②荒い布なのに絵の具が裏に染みだしてない点
③テンペラ画、水彩、油絵、フレスコ画の4つの技法が用いられている点
④その瞳の中にディエゴとズマラガ司教と通訳の3人が映っている点
キリスト教徒ではないファインは世界中で多くの大聖堂や教会を観てきました。
その中でも「グアダルーペ寺院」が、一番迫力があり見応えがあると感じましたよ。
テペヤックの丘の礼拝堂
グアダルーペ寺院の広大な敷地から見上げると高台に位置する礼拝堂が見えます。
ガイドさんの説明がないと、ただの古い礼拝堂としか感じませんでした。
階段をかなり登りますが、丘の頂上から見る景色の方が感動しますよ。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
追伸
今回紹介した「グアダルーペ寺院」については、いかがでしたでしょうか?
いろんなサイトを確認すると「フラッシュ禁止」とか「フラッシュたいて怒られた」と書いてあるのを目にします。
しかし、その情報は古いか、もしくは嘘です。
このマントは本物なので450年以上もの間、色あせないらしいです。
だからフラッシュをたいて撮影しても大丈夫なのですよ!
ファインは、係員に促されてフラッシュをたいて撮影しましたから・・・・・
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