世界文化遺産「アルハンブラ宮殿」のアクセス方法から見どころまでを徹底解説#61

アルハンブラ宮殿Spain
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ブエナス タルデス、旅ブロガーのファインです。

あなたは、アンダルシア州にある城塞「アルハンブラ宮殿」をご存じでしょうか?

宮殿と呼ばれていますが、アルハンブラとはアラビア語で「赤い城塞」を意味することから、城塞としての役割が大きかったと伝えられています。

ちなみに、アルハンブラ宮殿の建物は白を基調としているのです。

赤い城塞の由来は諸説あり、「城塞周辺の土壌が赤いため」「建築に使われたレンガの色」または「宮殿が赤い漆喰で覆われていた」などと伝えられています。

またモスクや学校、墓場や浴場、庭園や住宅などの施設も赤くはありません。

これらの施設に数千人が居住する城塞都市として、初代ムハンマド1世が建築しました。

 

 

ということで、今回はグラナダの世界文化遺産「アルハンブラ宮殿」について語ります。

 

 

レコンキスタ:Reconquista

「レコンキスタ」と聞いて、歴史に興味がない方は???となる人も多いでしょう。

しかし、アルハンブラ宮殿を語る上では、レコンキスタをスルーするわけにはいきません。

日本語では、「国土回復運動」又は「再征服運動」と訳されています。

re=再び、conquista=征服すること

718年から1492年まで続いたキリスト教とイスラム教の争いの歴史のことを指します。

現在のスペインとポルトガルの位置するイベリア半島で約800年も争いが続きました。

アルハンブラ宮殿は、レコンキスタ終結した歴史的に重要な場所なのです。

レコンキスタについて語ると1つの記事ではとても語り切れません。

それは、単純にキリスト教vsイスラム教という歴史ではないからです。

キリスト教国同士でも争いが行われていたので、とても複雑な歴史を辿ります。

戦況によりイスラム教国とキリスト教国が締結して、他のキリスト教国と争うということも繰り返しているので、ぐちゃぐちゃな戦争状態がレコンキスタなのです。

 

アクセス:Access

グラナダ市内から「アルハンブラ宮殿」へは3つのアクセス方法があります。

①タクシー:Taxi

交通・観光の拠点となる「ヌエバ広場前」にタクシー乗り場があります。

所要時間:約5分

復路は、アルハンブラ宮殿の正門前にタクシー乗り場があります。

運賃:8€(約1,030円)

ちなみに、13時~15時の間はシエスタの影響でしょうか、タクシーがいなくなります。

※シエスタとは、日照時間の長いスペイン文化でお昼寝時間のことを指します。

 

②アルハンブラバス:Alhambra bus

乗車地:イサベル・ラ・カトリカ広場前

コロンブスとイサベル女王の像と噴水があるのですぐにわかるでしょう。

バス停は、この銅像の後ろにあります。

アルハンブラバスの車体カラーは、赤と白のミニバンです。

7人乗車したら満席なので、常に込み合っている印象でした。

運行時間:7時台から23時台

運賃:1.40€(約180円)

運賃は、ドライバーへ直接支払います。

2つのルート

C30番:約12分

C32番:約10分

アルハンブラ宮殿の停留所は数ヶ所あります。

多くの観光客はメインエントランス前(Alhambra-Generalife 2)で降ります。

 

アルハンブラ宮殿のメインエントランスアルハンブラ宮殿のメインエントランス

 

③徒歩

市内中心部からアルハンブラ宮殿は近いのでわざわざ乗り物に乗る必要もありません。

坂道ですが、自然や芸術作品もあるので楽しい散歩になると思います。

ファインは、スペイン名物のチュロスを食べながら、歩いて行きました。

所要時間:約20分

アルハンブラ宮殿への坂道アルハンブラ宮殿への坂道

徒歩でアルハンブラ宮殿へ向かう場合、2つのルートがあります。

★ゴメレス坂(Cuesta de Gomérez)ルート

ヌエバ広場からゴメレス坂を登り、チケット売り場までは約1,150m

ザクロの門(Puerta de las Granadas)からアルハンブラの並木道が続いています。

ザクロの門は、カルロス5世が建設させ防御塔の一部となっています。

並木道を上ると、裁きの門の隣にカルロス5世の水飲み場(Pilar de Carlos V)があります。

三つの噴出口が付いているのが特徴です。

 

ザクロの門ザクロの門

 

★チノ坂(Cuesta de los Chinos)ルート

レイ・チコ坂(Cuesta del Rey Chico)から行く方法です。

一般的にはチノ坂(Cuesta de los Chinos)として知られています。

チノ坂の由来は、石畳になっていることから(チノ=小石という意味)らしいです。

坂はダーロ川から始まります。

パセオ・デ・ロス・トゥリステス(Paseo de los Tristes悲しい人たちの道)まで続いています。

「悲しい人たちの道」は、葬儀の列が通る道だったことが由来しています。

(パセオ・デ・ロス・トゥリステスからチケット売り場までの距離:860m)

 

※上記3つの移動方法の他に「グラナダシティーツアー」もあります。

バルセロナ編で紹介したツアーバスのグラナダ版といったところでしょうか。

料金:1日8€(約1,030円) 2日12€(約1,545円)

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アルハンブラ宮殿入場前に知っておくべきプチ情報

<飲食は期待薄>

アルハンブラ宮殿で食事をする場合は、正門にカフェがあります。

売店や自動販売機も設置していますが、軽食もしくは簡単なお菓子しかありません。

見学前に食事を済ませておくか、見学後に食事をした方がお勧めです。

 

<トイレ事情>

多くの観光客を受け入れるのに、アルハンブラ宮殿のトイレは4つしかありません。

女性やトイレが近い人は、入場前に済ませておく方がいいでしょう。

アルハンブラ宮殿は、広いのでチケット売り場にある地図をもらうと便利です。

世界中から観光客が集まる施設にしては、4つのトイレは少なすぎます。

 

<3ヶ所の入口>

チケットを購入すると地図が貰えます。

正門

裁きの門

車両の門

アルハンブラ宮殿のチケット売り場アルハンブラ宮殿のチケット売り場

 

 

<アルハンブラ宮殿の複雑な入場料システム>

入場チケットの種類

全エリアに入場できる一般チケット(昼間):14€(約1,802円)

ナスル朝宮殿の夜間見学:8€(約1,030円)

ヘネラリフェの夜間見学:5€(約644円)

庭園、アルカサバ、ヘネラリフェ見学:7€(約901円)

 

営業時間

4月1日〜10月14日
【昼】8:30〜20:00(チケット売り場:8:00〜20:00)
【夜】火曜日~土曜日  22:00~23:30(チケット売り場:21:00~22:45)

10月15日~3月31日
【昼】8:30〜18:00(チケット売り場:8:00〜18:00)
【夜】金曜日・土曜日: 20:00~21:30(チケット売り場:19:00~20:45)

定休日
12月25日と1月1日

アルハンブラ宮殿の全体像アルハンブラ宮殿の全体像

 

 

アルハンブラ宮殿の主な見どころ

東西約1kmあるアルハンブラ宮殿の敷地はとても広いです。

ナスル朝宮殿が時間厳守なので、ここを中心に見学スケジュールを組みましょう。

 

①セカーノの散歩道

正門から入場すると、最初に「セカーノの散歩道」を通ります。

糸杉がとても綺麗で、

「手入れが大変だろうなぁ~」

と思いつつどんどん先へ歩みを進めます。

 

セカーノの散歩道セカーノの散歩道

 

②サンタ・マリア教会:Iglesia de Santa Maria

カルロス5世宮殿(ルネサンス様式の建物)のとなりにあります。

イスラム建築の中に、ここだけキリスト教建築物があるので少し違和感を感じました。

 

カルロス5世宮殿

 

サンタ・マリア教会サンタ・マリア教会

 

内部は円形の中庭で旧ヨーロッパというイメージでした。

2階は「アルハンブラ美術館」になっています。

カルロス5世宮殿の内部カルロス5世宮殿の内部

 

③ナスル朝宮殿:Palacios Nazaríes

アルハンブラ宮殿で一番のメインと言われていましたが、個人的には・・・・・・💦

ナスル朝宮殿に入場の際、係りの方から

「リュックサックは荷物預かり所に預けてください」

と言われました。

 

ナスル朝宮殿への行列ナスル朝宮殿の行列

 

ナスル朝宮殿は、入場時間が30分毎に決められています。

予約時間から30分以内でなければ入場できないルールです。

時間にルーズなスペイン人が、時間に厳しいので期待値がどんどん上がります。

好奇心の塊のファインに、どんな凄いものを見せてくれるかワクワクが止まりません。

ナスル朝宮殿は「メスアール宮」「コマレス宮」「ライオン宮」の三つに分かれています。

 

<メスアールの間>

アルハンブラ宮殿で一番古い建物で、裁判等が行われていた場所です。

壁はモザイクタイルで装飾されてイスラムチックな感じですね。

 

タイルで装飾された壁タイルで装飾された壁

 

<メスアールの中庭>

ここも色鮮やかなタイルで装飾されています。

中庭の中央には大理石製の小さな噴水があります。

 

メスアールの中庭メスアールの中庭

 

<コマレス宮>

ガイドブックで目にした人もいるでしょう、アルハンブラ宮殿を代表する光景です。

コマレス宮にある「大使の間」は、有名な見どころと聞いていたのですが、前回紹介した「聖ジェロニモ修道院」の方が芸術性では遥かに優れていると感じました。

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アラヤネスの中庭アラヤネスの中庭

 

<ライオン宮>

最も有名なスポットの縦約29m、横約16mほどあるライオンの中庭です。

クオリティーの低い12頭のライオン像が水盤を支えている噴水です。

「これライオンじゃなくて犬じゃないの?」(ディスっているわけではなく本心でそう思いました)

これは、期待値を膨らませた情報操作が悪いのだ、と言い聞かせナスル朝宮殿を退出。

 

ライオンの中庭ライオンの中庭

 

④アルカサバ:Alcazaba

アルヒベ広場では座るところがあるので、ここでちょっと休憩します。

「メインがあれでは、これから行くアルカサバも大したことないんだろうなぁ」

と思いつつ、一番奥にある「ベラの塔」へ登りました

アルカサバの見どころは、宮殿から要塞と呼ばれるようになった3つの塔です。

★オメナッヘの塔(Torre del Homenaje)

★ケブラーダの塔(Torre Quebrada)

★クーボの塔(Torre del Cubo o la Tahoria)

ムハンマド1世が、城壁の防御を高め、宮殿から要塞と呼ばれる所以となったところです。

アルマスの塔の展望台アルマスの塔の展望台

 

塔から臨む、グラナダの街並みとシエラ・ネバタ山脈の景色は素晴らしかったです。

日本人観光客の中には、アルカサバの評価はあまり高くありません。

しかし、ファイン的には上記のナスル朝宮殿よりも全然良かったです。

アルカサバを訪れなければ、どこか物足りない気持ちで終わったかもしれません。

ベラの塔ベラの塔

 

オメナッヘの塔とケブラーダの塔オメナッヘの塔とケブラーダの塔

 

 

⑤ヘネラリフェ:Generalife

アルカサバから、約12分ほど歩きました。

ヘネラリフェは「水の宮殿」と呼ばれている夏の離宮です。

 

アキセアの中庭アキセアの中庭

 

ヘネラリフェの一番の見どころであるアセキアの中庭は約50mの細長い池があります。

レコンキスタ後期のムハンマド3世の時代に建てられました。

 

出口へ続く緑のトンネル出口へ続く緑のトンネル

 

緑のトンネルを通ってアルハンブラ宮殿の出口に出ます。

入場から退場迄の所要時間は、約2時間くらいでした。

 

 

ここまで読んでいただきありがとうございます。

 

追伸

今回ご紹介した「アルハンブラ宮殿」はいかがでしたでしょうか?

これはあくまでファインの個人的な感想です。

スペイン旅行では、

「時間がなければアルハンブラ宮殿を外してもいいかな~」

と正直思います。

もしスペインをもう一度訪れるなら、モン・ペルデュ、イビサ島、マヨルカ島、

パンプローナ、バレンシア、マラガ、コルドバなどに時間を割くかもしれません。

アルハンブラ宮殿は、がっかりとまでは言いませんが、一度訪問すればお腹いっぱいです。

期待値が大きすぎたのかもしれませんが、クオリティーは期待以下でした😢😢

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管理人

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飛行機が飛ばない状況でも、未知の国へ行く意欲がまったく衰えない旅ブロガーです。ひとり旅を好むが寂しがり屋という矛盾した性格をしています。都内の大学卒業後、旅行会社へ就職。転職後も旅行関連の資格を取得し観光業界へ従事。添乗員を目指している方、国家資格取得を目標にしている方の参考になるネタを投稿していく予定です。海外旅行では、失敗だらけだけど無事に帰国できればokという考えで旅を続けています。同じ旅好き、もしくは観光業界への就職を目指している方々の役に立ちたいという思いでブログをはじめました。旅行に関する情報をシェアしあなたと一緒に成長できれば嬉しく思います♪

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